テクニカルサービス本多が、このCBXをデビューさせたのが約3年前。高級外車などのハイソサエティな車に用いられることが多かったマットカラーの外装を、早い段階で旧単車の塗装に取り入れたものだった。
しかも、車の塗装は単色が基本なのに対し、単車は複色が基本。そこに取り入れたカラーがショッキングピンクだったのも、強いインパクトを与える一因となっていた。
さらに驚きだったのが、その塗装技術。普通は塗料を重ねて塗るので、表面に塗料の段差ができる。
この段差をクリアで埋めて、表面に凹凸を感じさせないようにするのだが、こちらのCBXはマットカラーが特徴。表面に光沢があるクリアを噴くわけにはいかないのだ。
ではどうするか。ペイントを担当したウッドアイは、完全につなぎ目ができない手法でこのマットブラック×ショッキングピンクの車両を塗り上げた。
画像だと確認がしにくいのだが、触れると表面の段差がないことに驚く。わずかなギャップすら感じさせないのだが、製作工程は一切社外秘なのだとか。気になるところだ。
さらに凄いのは、この単車が黒とピンクしか使っていない点。細部のビスやテールレンズなどは別として、塗料が使用できる箇所はほぼすべてをペイントしているのだが、黒とピンクしか使用していないのだ。
これが意外と難しく、場当たり的に進めていくと、必ずどこかで破綻する。バランス的にもベストと思われる選択が自然にできているのは、やはりすごいことだ。
なによりすごいのは、この単車が3年の時を経てもまだ、まったく新鮮味を失っていないという点だ。
たとえば数台のCBXを並べたなかにこのマットブラックを置いたとしても、すぐに判別ができる個性は、ずっと失わないまま。個性的なデザインながら時代に負けない普遍性。改めて、単車改造の見本にしたい一台だ。
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