バイク、特に旧車バイクの価格高騰が世に知れ渡るにつれて増加の一途をたどる、バイクの窃盗。深夜に車庫の窓やドアをバールで叩き割って進入する強盗のような窃盗団から、白昼堂々忍び込んで器用に鍵を回して運び出す単独犯まで、最近はそのタイプも多種多様になっている。
ひと昔前はサイドカバーやシート、エンブレムなどパーツやアイテムだけ盗んでいくような泥棒も多かったようだが、最近、密かにナンバーの窃盗が増えているという。
ナンバーなんて盗んでどうするの? とお思いの方も多いだろうが、用途は様々だ。
別のナンバーの上に被せてカモフラージュ
これは犯罪に使用されることが容易に想像できる。たとえば他のバイクを盗む際の移動に使用したり、法に触れる薬物や表に出せない現金などを移動させる際の車両に装着したりと、かなり危険な場面で悪用されるケースが考えられる。
ナンバーの一部分だけを変える
ナンバーが盗難されたことに気が付いていれば、被害届は当然出すだろう。窃盗する側も、その点は十分考慮に入れているので、ナンバーの一部だけを切り取って使用するケースも考えられる。
数字が1つ違えば、完全に別の所有者のバイクになる。しかも、どのバイクから盗んだナンバーかも隠すことができるので、盗難する側からしたら一石二鳥だろう。
海外で売る
モータースポーツの世界で完全に他を圧倒している日本のバイクは、当然ながら海外でも人気が高い。それだからか、車両だけでなくナンバーも人気があるのだとか。スワップミートやオークションなどで販売されている映像を、ご覧になった方もいるのではないだろうか。
もちろん「海外で販売している=犯罪」に直結する訳ではないが、値段がつくのも事実だ。
これだけバイク盗難のニュースがはびこっている昨今。車体自体に盗難の危険性が高まっている旧車乗りが、よもやナンバーを盗まれても気が付かないような甘いセキュリティーでバイクを管理していないだろうが、ナンバーだけならちょっとしたスキを突かれて…というケースもあり得る話。万が一、このような事態に陥ったら、所轄の警察署に連絡を。ある意味、バイク自体が無いよりヤバい話に発展することもある。