CBX400Fといえば、今も高い人気を誇る80年代を代表する名車だが、気合いの入ったCBX400Fを目の当たりにすると『まだこんなに生き残ってるのか!』と驚かされる。赤×黒でしっかりまとまったこのCBXも、そんな1台だ。

まず顔つきは、族車らしい雰囲気を出しながらもただの“定番仕様”にとどまらない独自のアレンジ感がエモい。ヘッドライトはマーシャルのフォグ。ウインカーを純正から角ヨーロピアンに換装した分のスペースには角型のフォグをセットして、ボリューム感を補完している。
たわみ具合も美しいどっかん風防はスクリーンの縁にパイピングを加えてアレンジ。垂れはウインカーステーの前を通すスタイルで、ドレープの具合も意識しているのだろう。

フロントの足回りは550に換装してインボードディスクブレーキをダブルに。ブーメランコムスターとインボードケースは黒に、ボトムケースとインボードリングは赤に、それぞれ塗装して黒と赤を塗り分けつつ全体の統一感をここでも表現している。

ボディには黒✕赤のユーロラインがあしらわれ、全体のカラーリングの方向性を決定づけてくれている。国内Ⅱ型と同じ黒✕赤の配色をチョイスするあたりは心憎いばかり。スタンダードかつ艶やかな質感に仕上げられた塗装と、ソリッドブラックのタンクに浮かぶホンダウイングが放つ存在感は抜群だ。

前後のフェンダー、サイドカバー、そしてスターター&ジェネレーターカバーはBEETを採用。ボディ同様に磨き上げられた質感が、カスタマイズを超えたオーナー氏のマシンにかける情熱を物語る。マフラーはフレームやエンジンに合わせて黒をチョイス。重厚感を感じさせる仕様となっている。この一台を支えているのは、細部まで徹底してこだわる“旧車愛”にほかならない。

ボディの赤ラインと呼応するような艶かしい赤の三段シートは縁取りに黒のパイピングを這わせて“当時の空気感”をしっかりと踏襲したアレンジ。BEETのスモークテールレンズの内部にはLEDウインカーを仕込むなど、旧車會的な遊び心と現代風の美学が、シンプルながらも絶妙なバランスで両立されている。

改めて全体を眺めてみても、厳選されたパーツ類と赤×黒で統一されたカラーリングで美しい佇まいが感じられる。そしてテールはがっつりとケツ上げしてワルく。このCBX400Fは、時を超えて輝き続ける名車の魅力と、このマシンに込められたオーナー氏の想いを象徴する1台となっている。
■オーナー:Yくん
■チーム名:70Family(ナオファミリー)