デュアルカウルに三段シートという出で立ちの、こちらのCBX。最初の段階ですでに族車らしいアイテムに囲まれてはいるのだが、特徴的なのが足回り。
よく見たらわかるのだが、足回りだけCBRのそれを採用している。
旧車會的にはCBRの足回りにCBXのブーメランコムスターを履かせるスタイルが流行りだが、これとは真逆の組み合わせ。CBXの車体にCBRの足回りというセットだ。
だが、この組み合わせは現役当時にはポピュラーだったというのが、このCBXのオーナー氏。CBXもCBRもあった平成初期に単車に乗っていたといい、「CBXの足回りがイカレた時にCBRの足回りを移植するのが流行っていた」んだそう。理由は「安いから(笑)」。
外見へのこだわりは当然持っていたが、それよりも「走りたい」願望が優先される時代のエピソードで、ほっこりする。
そしてフロントだけでなく、リアタイヤもCBR用にチェンジ。スイングアームはCBX用だが、チェーンケースはCBR用を使っている点がミソ。ホイールに合わせたアイテムを使用することで、かなり印象が変わってくる。
さらにこのCBXを特別な存在にしているのが、タンクのペイント。
昭和生まれにはビビッと来まくり、“菊リン”こと立花商業の番長・菊永淳一のペイントが描かれている。それもコミック版ではなく、実写映画の方の“菊リン”だ。実は同じビーバップ世代の仲間内で、城東工業の山田敏光やテルなど、様々な脇役キャラのペイントを加えているのだという。
ビーバップは好きだけどトオルやヒロシのペイントだと当たり前すぎるし、コミック版だとエアブラシの立体感が出ない、ということでチョイスしたのだそうだ。正直、このチョイスは狙い通りのインパクトをもたらすことに成功! しかもビーバップの脇役たちはかなりの個性派揃いだけに、どこまでも人員を増やしていけそうだ。