本人の意識はともかく、カラーリングでワルさを表現するのに最も適しているのが黒と赤。これは個人の印象の話ではなく、暴走族が華やかりし頃、4大バイクメーカーがこぞってカラーリングに取り入れたのが「黒×赤」だった。
世界的企業である日本のバイクメーカー4社の分析結果として出てきた回答だけに、信憑性は高い。
ホークからスーパーホークⅢに至るまで、テーマカラーが「黒×赤」だったことはないが、こちらのバブの黒×赤は純正並みにしっくりくる。
ベースカラーには黒をチョイス。ラインの赤、差し色のシルバーの3色を巧みに取り入れ、エンジン回りの黒やメッキの銀とも相性のいい仕様となっている。
外装はソリッドな黒のベースに赤・シルバー・赤の3本巻き。
コムスターは黒、ボトムケースとフレームは赤でカラーリングしているのだが、ホンダはアニバーサリーモデルのフレームには赤を用いることが多いため、これだけで特別感がある。
黒エンジンにメッキのエンジンカバー&シリンダーヘッドカバーも映えるのだが、エンジンのフィン部分にアルミ製の洗濯バサミをびっしりと挟んでいる点にも注目。アルミのピンチに放熱効果はないことがすでに何度も何度もアナウンスされているが、それでも旧車としての雰囲気を醸すのにはひと役買っている。
そしてこのピンチの並べ方で、几帳面な性格も見て取ることができる。
マフラーは素人集団謹製のハス切りマフラーを装着した。バブのハス切りは少数派ながら全体のイメージには合致するものだ。
また、リアショックにはマルゾッキをチョイス、ウインカーガードやテールガードを装着するなど細部にまで意識を凝らしているのがわかる。