バイク好き、特に純正派がよく口にするのが、「そのバイクの生みの親でもあるメーカーが、“我が子”に一番似合うスタイルはどんなものかと真剣に考えて考えて考え抜いて、出した結論が純正のスタイル。これに勝るデザインは無い」というもの。
ただ、バイクに一番似合う姿と、希望する姿にズレが生じるのも仕方のないこと。交際相手にしてほしいファッションと似合うファッションが違う、みたいなことではないだろうか。
もちろん、純正派の意見は至極真っ当なもので、否定できる要素は一切ない。おっしゃる通りだ。
そこで……というわけではないだろうが、純正のデザインを有効活用して自分好みのカスタムを施すという、いいとこ取りの中立派も存在する。
こちらのGSもまさにそのタイプで、外装デザインのベースはGSの象徴ともいえる伝統のE2ライン。
四輪旧車でいうところの“ブルメタ”を思わせる銀ラメ+キャンディーブルーのベースにゴールドのラインがカッコイイ。これが自家塗装だというから驚きだ。
イノウエのフルカウルにも、E2ラインをアレンジしたラインをペイントした。
足回りはあえてのスポークホイールにダブルディスクをセット。BEETのサイドメッシュにも同様のラインを描いて統一感を醸し出している。
ラメで飾った黒ベースのフレームやボトムケース、スイングアームがまたシブい。
「レッドステージ爆吸い」マフラーをハス切りでセット。カウルに隠れて見えにくいエンジン部分もシリンダーを塗り分けて、ここにもゴールドを使用。さらにキジマのフィンカバーを装着するなどしてしっかりと仕上げているのがわかる。
リアビューはスイングアームにホタルライトをセット。約50センチ延長の三段シートはフレームと同系の黒を採用。フルカウルとのバランスも良く、神奈川を感じさせる仕様となっている。