今年の福岡駅前は、静かだった――――――。
福岡では例年、中学校の卒業式当日の夜に「卒ラン」の少年たちが集うのが恒例行事となっていが、今年の卒業式当日は、大きな集会にはならかったようだ。
地元では伝統的な"卒業集会"。起源は地元の方でも分からないくらいで、ここ十数年、先輩から受け継がれてきたものだった。
それが今年、市内各地にこんな張り紙が貼り出されていた。
博多警察署名義のもので、「警告」の文字とともに「3月9日(金)博多駅での特攻服着用はできません。特攻服を着用した少年は補導します」の文字。
これは明らかに“卒業集会”を意識したもので、一分ではその動向が注目されていた。
福岡県警の対応は、中学生相手とは思えない本気モードだった。駅前のめぼしいスペースは、前日までにパイロンなどで封鎖。人が集まれそうなフードコートやファストフード店なども、その時刻に合わせて閉店や入場規制を設けるなど、立ち入れない状態に。
さらには街中のイルミネーションを止め、人の流れを止め、まさに厳戒態勢を敷いたのだった。
▼スペースを消して人が立ち入れない状態に
❝今年の卒業式は9日に集中。県警は約200人態勢で警戒し、JR博多駅前広場と警固公園(中央区)ではイルミネーションや多くのライトを消灯した。❞
昨年も駅前に卒業生が集まり、ちょっとした騒動になったのだが、この時の中学生の数が約200人と言われているから、"一人一殺"体制だ。
❝昨年、約200人の中学生らが集まり一時封鎖された警固公園は警察官約20人が待機。特攻服姿の集会は確認できなかったという。天神では特攻服姿の男女も目撃され、14人が補導された。博多駅は警察官の動員に加え、駅前広場を一部通行止めにした。補導者はゼロだった。中央区の大濠公園と舞鶴公園には多数の警察官が待機。いずれもトラブルはなかったという。
❞
▼清掃作業の名目で、通行も一部遮断した
地元の中学生たちも「博多駅」「警固公園」以外の、第三の場所を探していたようだが、中学生では行動範囲をそこまで広げるわけにもいかず、結局は断念せざるを得なかったようだ。
当然、当日のTwitterも静かなものだった。
特攻服!!市内の高校だか中学だかの卒業式で博多駅前が物々しい...(∋_∈) pic.twitter.com/xy8C0Ox2bl
— ABE I (@ikuko13) 2018年3月9日
特攻服軍団を捕まえようと待ち構えている職員が溜まっているという@博多駅前広場#修羅の国 #福岡 #ヤンキー pic.twitter.com/qZL6f4d7cX
— ほそぴ (@period1117) 2018年3月9日
卒業特攻服中学生対策のために封鎖された博多駅前。 pic.twitter.com/Trzkw3cZfO
— ヲタブツ (@wotax_gamma) 2018年3月9日
偶然だけど、去年まで3年連続で立入禁止区域だらけの博多駅前を見てきた
マックでさえ店内飲食不能になる日、卒業式
https://t.co/yDV04D6gyc— ラマロンdays (@shin_purumieru) 2018年3月6日
西日本新聞 特攻服の中学生、今年も集結か 9日卒業式警戒ピリピリ 博多駅?警固公園?それとも… [福岡県] 西日本新聞 一昨年はJR博多駅前、昨年は福岡市・天神の警固公園、今年は-。福岡都市… https://t.co/kDqjrw9KqU
— FashionRelease (@FashionRelease) 2018年3月7日
博多駅前物騒だと思ったけど卒業式ね
理解マン— みつる3 (@psavx201198) 2018年3月9日
卒業生当人たちの発信は、ほとんどないのが分かる。
▼このイルミネーションも、9日は消灯されていた。
博多駅前のイルミネーションです。
明日は角島大橋まで行ってきます pic.twitter.com/tdFnLk8gr5— ばり (@akioori123) 2018年3月10日
それこそ「ビビった?」などと煽るヤツもいるだろうが、こんな状況では行かないのが正解。バイクなどの機動力もないのに、ただ補導されに行くようなモノだ。
来年以降は、どんな形で推移していくのか。対決姿勢を打ち出すだけではなく、まったく新しいものが生まれるようなら、それは喜ばしいことだろう。
執筆者:i-Q JAPAN編集部