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【1970年代から】「首なしライダー」の伝説:映画『マッドストーン』が影響を与えた昭和の怪談【今は都市伝説に】

首なしライダーという言葉を聞いたことがあるだろうか?

日本各地で聞くことのできるこの怪談は、実際の事故映画から派生してアニメにもなり、都市伝説ともなって、今でも語り継がれている

夏本番間近、ということもあるので、今回はその首なしライダーについて詳しく掘り下げてみるとしよう。

 

首なしライダーの起源は映画?


 

首なしライダーの伝説は、1970年代後半から広まり始めたと言われている。

その起源として特に注目すべきなのは、1974年にオーストラリアで公開された映画『マッドストーン』の存在だ。

この映画では、道路に張られたピアノ線でライダーの首が切断されるシーンがある。そんなショッキングな映像が噂を呼び、日本でも首なしライダーの話が広まったのでは、と目されている。

さらに、1976年に日本テレビ系で放映された『事件記者コルチャック』というドラマの一エピソード「闇に舞う爆走首なしライダー」も、この怪談を広めるきっかけになったと言われている。

どうやら上映・放映のタイミングからしても、この辺りを起源として見なしても差し支えなさそうだ。

 

実際の事故?から生まれた怪談


 

一方で、首なしライダーの話は単なるフィクションではなく、実際のバイク事故暴走族に悩まされた地域住民の行動が元になっている、とも言われている。

例えば昔、こういうウワサ話を聞いたことはないだろうか?

暴走族に困った住民が嫌がらせとして地域の道路にピアノ線を張り、そこを爆走して走り抜けたライダーが首を切られてしまう……

 
という「実話」。これが、怪談として語り継がれているケースもある。

また、真っ暗な夜道で黒いフルフェイスヘルメットを被ったライダーが、首なしライダーと誤認されることもある。愉快犯が意図的に黒いヘルメットを被って夜間に走行し、人々を怖がらせるというケースも報告されていたとか。

 

首なしライダーの都市伝説


 

そして最近では、都市伝説のひとつとして広く認識され語り継がれているようだ。

曰く、何らかの原因(道路に張ってあったピアノ線、道路標識、トラックからの落下物など)で首を失い事故死したライダーの亡霊だ、というもの。

失った自分の首、もしくは自分を殺した犯人を探して道路を猛スピードでさまよい続けているとされる。

首を失った原因が増えてるだけでなく、「首なしライダーに追い越されると死亡事故を起こして死んでしまう」という恐怖要素も付け加えられ、ある意味パワーアップしている。

 

アニメ『学校の怪談』での登場


 

この首なしライダーは、アニメ『学校の怪談』(放送期間:2000年10月22日〜2001年3月25日)に登場したことでさらに知名度(?)を上げている。

『学校の怪談』第19怪「首なしライダー!! 死の呪い」がそれだ。

この回では、首なしライダーが主人公たちに襲いかかるエピソードがあり、より若い世代にも広く知られるようになるキッカケとなった。

 

まとめ

首なしライダーの伝説は、実際の事故や映画の影響を受けて広まった都市伝説だ。多くのバリエーションがあり、その根底には人々の恐怖や不安が反映されている。

現代でも語り継がれているこの怪談は、日本の都市伝説の中でも特に人気のあるものの一つ。都市伝説は、その時代や場所によって形を変えながらも、人々の記憶に残り続けるものだ。

うわさ話から怪談へ、そして都市伝説へと変貌を遂げた首なしライダーの話も、引き続き語り継がれていくことだろう。

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