当然といえば当然な話だが、旧車會の指す「旧車」とは旧型のバイク。かつての名車であるスズキGS400やホンダCBX400など、当時の暴走族も愛用したバイクを自分好みにチューンしたり、仲間たちとのツーリングを楽しんだりするものだが……中にはバイクでなく、原チャリをチューンして楽しむケースもある。
もともとホンダ クレージュタクトの発売当時のコンセプトは若い女性がおしゃれに乗り回せるスクーター。フランスのファッションデザイナー、アンドレ・クレージュの意匠を取り入れたことで当時の女性たちの間では高い人気を誇り、中でもヤンキーチックな女の子がパステルカラーのクレタクに乗るとサマになった。
そのためか、今でもクレタクは中古でも高値で取引されるほどの人気を誇り、中でも旧車會の間ではクレタクをベースにしたチューンをするケースが目立つ。パイパンマサカズさんのクレタクはさらに一歩踏み込んで思い切ったブチ上げ仕様になっている。
一目見たら忘れないであろうロケットカウルの高さが印象に残る外観。ド派手なブチ上げのみならず、パープルのパステルカラーで全体とまとめ上げるなどクレタクらしさを残している。
ブチ上げの魅力と言えば、やっぱりロケットカウルの位置。バーをうまく活用して本来の高さよりもはるかに高い位置にセット。ヘッドライトは極端に下に下げず、長めのピヨピヨを付けることで遠くまで照らせるようにした。
ロケットカウルばかりが目立つフロント部だが、下に目を向けると旗棒やリボンで装飾するなど可愛らしい仕様に。
テールカウルは「ヤフオクで買った」というロングタイプのもの。パステルカラーの外観に合わせてキュートな流れ星のステッカーも。マフラーはチャンバー管だ。
ハンドル周りはじゃんけんミラーをダブルでセット。マフラーのカラーリングと併せてイエローにするなど、バランスよく仕上げた。
ブチ上げ仕様のバイクは得てして見た目が派手で、どこか男らしさばかりが強調されがちだが、このクレタクは全体をパステルカラーでまとめたため、クレタクらしいキュートな雰囲気でまとまっている。