現在はほとんど聞かなくなった仕様のひとつに「ハードトップ」がある。
セダンやクーペと並ぶ車両の仕様のひとつだが、これがめちゃめちゃかっこいい。簡単に言うとBピラーが無い車、ということだが、じゃあBピラーってなんなの? そもそも「ハードトップ」ってなんなの? というところから説明したい。
まず、このハードトップというジャンル、構造的にはオープンカーと同じで、窓枠から下の部分だけで剛性を保っている。そしてハードトップの“トップ”は「屋根」。オープンカーに硬い……つまり金属製の屋根が乗っている車がハードトップ、ということだ。
そのため、ハードトップにはBピラーが無い。Bピラーというのは、ドアとドアの間にある支柱(!?)だ。
ちなみに、運転席側にあるのがAピラー、リアウインドウ側にあるのがCピラー。このBピラーが無いので、前後の窓を全開にしたときピラーで分断されていないひとつの空間が広がるというわけ。これがカッコいい。
そして、タイトルに4ドアハードトップと敢えて記載したのにも訳がある。
フェアレディとかスカイラインとかローレルとか、2ドアのハードトップは昭和40年代からチラホラ存在していた。ちなみに、こういうことを最初にやりだすのはだいたい日産だ。
もちろん2ドアハードトップもカッコいいので、それはそれでいずれ紹介させていただきたい。
実際に、ちょっとヤンチャな方から愛されていた車両を何台か紹介したい。
NISSAN セドリック/グロリア 230
おそらく、4ドアハードトップの元祖ともいえるのが、230のセドリック&グロリア。販売店の関係で名前を分けているが、ほぼ同じ車だ。
この時期の高級車……というか日産車は特に曲線を多用したデザインの車両が多く、ドアの丸みやライトの丸み、そして窓枠にも曲線が用いられている。
当時のアメ車には“コークボトルライン”といわれる、前後のタイヤ付近が盛り上がってドア付近の幅が狭まっている曲線のデザインが多く取り入れられていた。真横から見たら、コーラの瓶を横向きにした曲線に似ていることから名づけられたものだが、この230にはほんのりとその面影が感じられる。
Bピラーがなく、前後の窓を全開にするとぽっかりと大きな空間が生まれるが、後部座席はドアの形状の都合で窓を全部下ろしてもウインドウの一部がしまい切れていない。そんなところもまたかわいい。
NISSAN セドリック/グロリア 330
いわゆるセド・グロは日産の最高位に君臨していたブランド。最初期は、ハードトップはこうした高級車にのみ用意されていた。もちろん230も人気だが、続く330~430、そしてY30という一連のシリーズは、ラグジュアリーカーでありながらバイクから四輪に移行する不良少年たちにも受けた。
中古車であっても日産の最高位車種であったため、どうやって購入できたのかは周囲も知らないケース多数。知らない方がいいことは世の中にたくさんあることを学ぶ時期だ。
こちらも車体のデザインとしてはコークボトルラインを感じさせるもの。このあと、430,そしてY30と4ドアハードトップ人気は継続していくのだが、セド・グロだらけになるので今回はここまでにしたい。
TOYOTA チェイサー GX71
ハイソカーブームの火付け役となったマークⅡ3兄弟のなかでも、ハードトップに特化したのがチェイサーだった。というか、このGX71で3兄弟の方向性を整備して全方位型のマークⅡにはセダンもハードトップも、バンもワゴンもあったが、チェイサーはハードトップ、クレスタはセダンという色分けがなされた。
この振り分けからもわかるように、当初トヨタはチェイサーと若者向け、クレスタを中高年向けという、裏の振り分けをしていたようだが、結果的にはどちらも高級志向を求める層にヒット。さらにマニュアル車やターボ車は走り屋からの需要が高まり、チェイサーは中古車市場でも人気車種になっていった。