地域によっては「権力者のバイク」といわれていたGS400は今も旧車會のアイコンとして君臨している。吸い込みという“革命”をもたらしたこのマシンが、さらなるカスタマイズを経て令和の現在も最前線にいる、となれば多くの人に見てもらいたいと思うのも道理だろう。
「高貴の色」にして「不良の色」でもあるパープルのキャンディーカラーを飾るのは、レッドに縁取られたE2ライン。ラインのなかはベースの銀ラメが活かされていて、エンブレムもそのまま装着されているなどヤンチャな雰囲気を押し出しながらもSUZUKIらしさはしっかりと残している。
程よくアップしたヘッドライトはマーシャルにピヨピヨを装着してエモさをアップ。グリップや反射板もパープルにまとまっている。
レッドゴールドのセブンスターホイールに加え、ダブルに増設されたブレーキディスクも目を惹く。フロントフェンダーにもE2ラインが入っていてこだわりを感じる。
回せばブチ上がる元気な2発のエンジンを包み込むフレームは真っ赤にペイントされている。E2ラインとのバランスもバッチリだ。
ワンズのハス切りマフラーはGSのコールをパワーアップさせてくれる。全体を綺麗に仕上げたバイクにメッキのチョイスは大正解。全体のバランスを損なうことなくワルさと美麗さを両立させている。
右ウィンカーの下には3連ランプ。昼でも存在感を主張し、夜には妖しく光る、「後ろ姿で語る」族車ならではのアイテムだ。
そしてゼッツーテールにテクニカルサービス本多別注のBEETブラックテールがオシャレ! バランス感も絶妙だ。
タンク上部には「マル走」「80一族」「甦れ80年代」の文字がデザインされている。ベースのラメを活かしたり、E2ラインのキャンディーカラーと混同しないようソリッドカラーを使用したりと細部までこだわっているのが分かる。
なるおっさんTVがプロデュースしたなるおハンに取り付けられたグリップと合わせて、X-holderもパープルに。ハンドルまわりにも抜かりなし、というオーナーの美学が伝わる。
さらに艶のある三段シートで高級感を倍増。敢えて厚みを抑えたシルエットがかっこいい。ケツ上げの具合も絶妙だ。
走りの美学と見た目のヤンチャが両立する、まさに令和流のGS。族車としての栄光を令和に刻む、そんなマシンに仕上がっている。