のちのバイク業界にレーサーレプリカという一大ムーブメントを生み出すきっかけになったCBR400F。レースマシンでしか使用されていなかった角パイプのフレームに、当時の空冷直列4気筒バイクとしては最高馬力の58馬力という高出力、さらにはREVという新システムを投入したエポックメイキングなバイクだった。
大ブレイクしたCBX400Fの後継機ということもあり、当時は「ホンダがまた本気出した!」と話題になった。いかにもバイク然としたCBX400Fと比較すると“攻めた”スタイルのCBR400Fに対して、若干の戸惑いの空気がないこともなかったが、その果たした役割の大きさは前出のとおりだ。
旧車會の界隈では、“最後の昭和世代のバイク”として、また高出力のコールマシンとして人気が高まっている車種の一台。様々なスタイルのカスタムがなされている。
こちらのCBR400Fは赤・白・緑というイタリア国旗のカラーリングをメインに据えた外装が特徴的な仕様。フレームやボトムケース、スイングアームなどの赤い塗装が“特別なホンダ車”を感じさせる。
ヘッドライトは純正の角型からマーシャルのフォグに換装。ピヨピヨを装着し、ライトアップして“どっかん風防”でドレスアップしている。スクリーンのステッカーワークも洒落ている。
タンクやフェンダー、サイドカバーなどの外装は白とグリーンのツートンがベース。白地部分はソリッドなホワイトだが、グリーンはラメ地にキャンディグリーンを乗せたギラギラなカラーリング。さらにCBR400Fの純正とCBX400FのⅡ型をイメージしたような3本巻きのラインは銀ラメになっていて、華やかさをプラス。ホンダのロゴはウイングマークで塗装面の少ないCBR400Fにアクセントを与えている。
カラーリングの面でいえば、がっつりとケツ上げして角度が付いた上に50センチ延長した三段シートも個性的。白と紫のツートンカラーに赤のパイピングは全体に違和感すら与えているが、このアンバランスさが族車らしさを感じさせるものだ。
エンジン回りはぴかぴかで、かなり手入れが行き届いているのがわかる。黒で塗装されたエンジンのなかでBEETのスターターカバーのゴールドが程よいアクセントになっている。
マフラーはプリティーレーシングのガニマタブレット管を装備。シックでベーシックなスタイルがよく似合う。
ハンドルは人気のトロピカルハン。CBX400F用のスイッチボックスを換装してワンズアンドエムの軽スロを装着。コールマシンの片りんを感じさせるコクピットとなっている。
そして、これらのカスタム塗装やエンジンのフルオーバーホールなどはすべて自身で行っているとのこと。これだけのレベルで仕上げられるのは本当に驚きだ。
■オーナー:ホヤノン
■所属:松浦一家
■ひとこと:カスタム塗装やエンジンのフルOHは自分でやっています