一般的には2ストのRZ250/350はもっぱら峠用バイク、という認識もあるが、暴走族からもかなり人気のあるバイクだった。2ストならではの爆発的な加速感があり、全体的なシルエットもかなりオーソドックスかつクラシカルなデザインのおかげで、どんなパーツでも似合ってしまう。
そしてこんな大胆なアレンジも、しっくり馴染んでしまうワケだ。
最も目を惹くのが、そのカラーリング。シルバーをベースにペイントされたカウルとタンクは、赤で縁取られたミッドナイトパープルのファイアパターンが力強く描かれている。
スクリーンに所狭しと貼られたステッカーもなかなか圧巻。サイズや形が異なるステッカーだが、すべて同じ角度で貼られているためバランスがよく馴染みがいい。マーシャルのフォグが妖しく目立ってるのもグッド。
ジェネレーターカバーはスケルトン仕様。アクリル越しに見えるローターの動きは、まるで高級機械式時計の裏スケルトンを覗いてるような、メカ好き歓喜の仕様だ。しかもヤマハの音叉マークがしっかり刻まれていて、こういう細かいこだわりが「わかってる感」を演出してくれる。
リアショックは信頼のオーリンズに換装。旧車會系のバイクは「見た目優先」のようでいて、実はこうした“走りの機能部品”の採用には躊躇がない。おまけにステップはバックステップ化されており、攻めの姿勢もビシビシ伝わってくる。
マフラーはガレージエイトオリジナル。デザインは直線的で無骨。そこにビートのサイドカバーやバックステップの無機質な金属感が組み合わさり、昭和暴走族スタイルの文法をしっかり踏襲している点も見逃せない。
一方で、リアビューはなかなか賑やかだ。70センチ延長したK-Styleの三段シートにはフルカウルのスクリーンに負けないほどのステッカーがずらり。族車文化の歩んできた歴史と、オーナーの美学がそのまま貼られているようで、まさに“走る掲示板”といった趣だ。
そして真っ黒に塗られた拡声器。そこにはシンプルに「嫌」の一文字。これがまた強烈。おそらくチーム名の一部だと思われるが、この拡声器だけを見たら「なにが嫌なの?」と感じさせるインパクトがあり、それが逆に想像をかき立てる。
テールランプの上にもチラリとステッカーが貼られ、もはや貼る場所があれば全部使うという勢い。こういう“詰め込み感”すら美学として成立してしまうのが、族車の奥深さでもある。
ハンドルはイケテルハンに換装し、族車感をアップ。メーターパネル上に貼ったマーシャル&ガレージエイトのステッカーに加え、タンクにはイベント限定で販売していた愛旧ジャパンと秋田書店のコラボステッカーを貼っている点もポイントが高い!
愛旧ジャパンでもこれまで何度か取り上げてきたRZ250だが、レーサーレプリカ的なストイックさと、族車的な華やかさ。その両極端を飲み込んでなお破綻しないこの懐の深さこそ、RZ250という名車の真骨頂だ。
■チーム名:嫌われ者
■ひとこと:11月23日、中山サーキットで会いましょう!!