昔のバイクCMなんて、ただの懐かしい映像に過ぎない──。そう思っていた時期が俺にもあった。
でも、いざ振り返ってみると、昭和のバイクCMには今見ても色褪せない魅力が詰まっていることに気付いたんだ。そう、あの時代のCMが描いていたのは、単なる製品の宣伝じゃない。
そこには自由、男らしさ、そして時代を先取りした価値観があった。今回は、そんな昭和のバイクCMが伝えてくる、今でも心に響くバイクの魅力について語ってみたいと思う。
昭和のバイクCMが伝える「男らしさ」とは?
昭和のバイクCMを見ると、まず目を引くのは「男らしさ」の演出だ。
当時のCMは、バイクに乗ることがただの移動手段ではなく、「男としてのステータス」を示すものとして描かれていた。バイクに乗って、風を切って、自由を感じながら走る姿──それは、まさに男の憧れだった。
例えば、ホンダの「スーパーカブ」のCMなんかにしても、日常的なシーンでありながら、どこか洗練された男らしさが漂っているんだよな。通勤や通学、配達の手段として使われているはずのスーパーカブが、自由や冒険心を象徴するかのように見えるのは、CMの力だろう。
ヤマハやスズキのCMも同様に、ただバイクを紹介するのではなく、その背後にある「ライダーのライフスタイル」を描き出している。
昭和の時代に、バイクに乗ることは、男としての生き方や価値観を表現する手段の一つだったんだな〜って感じるワケ。
時代背景とバイクの魅力の関係
昭和のバイクCMがこうした「男らしさ」を強調していたのには、時代背景も大きく関係している。
昭和は、戦後の復興期を経て高度経済成長がピークを迎えた時代。車が普及し始める一方で、若者たちはもっと手軽に「自由」を手に入れたいと思っていたハズ。
そこで登場したのが、バイクだ。
当時、バイクは手軽に購入できて、自分の好きな場所に自分のペースで行ける、まさに「自由の象徴」だった。特に若者たちにとっては、車を買うほどの余裕はないけれど、バイクなら手が届く。その上、乗れば風を切って走れる。
そんなバイクに乗ることで、自分も「自由な男」になれる!という感覚があったんだ。
昭和のCMは、この「自由」と「男らしさ」を巧みに結びつけ、バイクを乗ることで得られるスリルや解放感を視聴者に伝えようとしていた。だからこそ、今見ても色褪せないんだろうな。
代表的なバイクCMを振り返る
さて、具体的にどんなCMが俺たちに影響を与えていたのか、いくつか紹介してみよう。
まずはホンダの”ヨンフォア”、「CB400FOUR(NC36)」。言わずと知れた名車だけど、当時のこのCMを見返すと、なんともシンプル! 派手なBGMも、過剰なテロップもナレーションすらなく、ただ力強い音楽に混ざり合ったエキゾーストノートで自由気ままに走る姿が見るものを魅了するのみ。1974年から脈々と続くヨンフォアの名声への自信が感じられる、そんなCMになってる気がするな。
次に挙げたいのは、ヤマハの「DTシリーズ」。これはもう、スピード感と冒険心を前面に押し出したCMだ。ロックなBGMと相まって山道や砂利道を豪快に走る姿が「自然の中を自由に走る」というバイクの醍醐味を多くの人に教えてくれたんじゃないかと思う。
そして忘れてはいけないのが、当時の若者たちにとっては、まさに憧れのバイクだったスズキの「GTシリーズ」。こちらも疾走感が心地よい画面作りが特徴的だ。CMの中では、都会の喧騒とはかけ離れた、まるで異次元の空間を疾走するかのような姿が描かれており、「自由」というテーマが強く伝わってくる。
バイクCMが描く「自由」と「冒険」
昭和のバイクCMで一貫して描かれているのは、「自由」と「冒険」だ。
バイクに乗ることで、日常から解放され、まだ見ぬ世界へと踏み出すことができるというメッセージが強調されていた。特にヤマハやスズキのCMでは、自然の中を走り抜けるシーンが多く、バイクが単なる移動手段ではなく、冒険の道具であることが伝わってくる。
当時のCMを見ていると、まるでバイクに乗れば世界が広がるかのような感覚にさせられる。これは単なる広告の枠を超えて、バイクそのものが持つ魅力を最大限に引き出した演出だと思うんだよな。
まあ、実際にバイクに乗ってみれば、これらのCMが伝えたかった「自由」や「冒険」の意味がわかるだろう。
現代にも通じる昭和CMの魅力
一見すると、昭和のバイクCMは時代遅れのように見えるかもしれない。映像のクオリティや演出は、現代のCMと比べるとシンプルで素朴だ。しかし、だからこそ今でも心に響く部分があるんだ。
最近では、YouTubeで昭和のバイクCMを見返すことができる。多くの人がコメント欄で「懐かしい」と感じながらも、「今見てもかっこいい」と評価しているんだ。特に旧車會のメンバーや、バイク文化に興味を持つ若者たちにとっては、レトロなだけでなく、今もなお色褪せない男らしさや自由が感じられるCMになっている。
特に最近ではバイクのCMなんてメッタに観れなくなっちまったし、こうしてバイクが主人公として全面に押し出されているCMってのは、もう出てこないのかも知れないな。
まとめ
昭和のバイクCMが伝えていたのは、ただ製品を売るための広告以上のものだった。そこには、「バイクに乗ること」で得られる自由や冒険、そして男らしさが描かれていた。今の時代に振り返っても、あのCMは決して古びることなく、バイクの魅力を再発見させてくれる。
俺も最初は「ただの昔のCMだろう」と思っていたが、いざ見返してみるとシンプルながらも、その奥深さに驚かされた。もしまだ見ていないなら、ぜひ一度、昭和のバイクCMをチェックしてみてほしい。きっと、あの時代のバイクに対する情熱や夢が、今でも君の心に響くだろうぜ。