カワサキの人気車種は、一度当たるとその持続力がエグい。Z1/Z2などはそのバックボーンもあって今でも数百万のプレミアがついて販売されているし、角ゼットの元祖・Z1-Rやザッパーと呼ばれるZ650など、今でも人気が高いバイクが多数存在する。
中型バイクでもZ400FXやゼファーなど、発売から数十年経った現在まで人気の車種は多い。
特にFXは族車というより絶版車人気が高く、中型バイクのなかではヨンフォア、CBXと並んで高額取引されている中古車の代表格でもある。
ボトムゾーンでも200万円は下らないといわれるFXにあって、さらに人気が高いのが、リバイバル発売されたE4型のE4-AとE4-Bの2車種。E4-Bは最終系にしてオリジナルデザインということもあり人気。そして通称グランプリ・スペシャルと呼ばれるE4-Aは呼称のなかにlimitedと加えられている500台限定生産のスペシャルバージョン。グラデーションの効いた配色が特徴的で、その希少性から400万、500万という値が付くこともある“お宝バイク”だ。
そして今回ご紹介するこちらのZ400FX。実はそのどちらでもない。
外装ラインのベースは初代のE-1だが、このE-1のベースにグランプリスペシャルのカラーリングを落とし込んでいるのだ。完全にグランプリスペシャルの外装を載せるのではなく、カラーリングだけ拝借しているのが洒落ている。
こんな手の込んだことをしているくらいだから、他の部分も様々に手を加えている。
ホイールはBEETのキャストホイール。3方向に伸びたスポークは後継機の純正にも選ばれているが、BEETのキャストホイールは重厚さがひと味違う。
さらに目立つのがサイドカバー。オールドファンならご存じの「ミスター・カワサキ」のキャラクターが立体化されている。これまでほとんど見たことがないアイテムで、ワンオフのオリジナルアイテム? そうでなかったらかなりのレアアイテムだろう。
テールカウルは羽根が長いSerectをチョイス。マフラーは鉄の4-1管。コール向きではないが、当時の雰囲気を表すパーツとしてはベストのチョイスなのだろう。
さらにはセレクトのバックステップやウエダレーシングのトルクロッド&スイングアームなどを装着。元々がトリプルディスクのバイクなのでこうしたパーツも全体のボリューム感をアップさせるのに一役買っている。