絶版車ファンにはお馴染みのビモータ。パッと見でちょっと変わってる感じがあるし、単純にカッコいいデザインの外装なので、できればこの外装を着けてみたいバイク乗りは多いだろう。
ただ、なんとなくは分かるけど詳しくは知らない、という方のためにざっくり説明すると、このビモータというのはイタリアのバイクメーカー。ただしエンジンは自社で開発せず、他社のエンジンを搭載するというスタイルで業績を伸ばしていた。その際、ホンダやカワサキ、ヤマハなどのエンジンを多用していて、バイクの車種名にもエンジン供給企業の頭文字(イニシャル)と自社のBを組み合わせたものを使用していた。
その後、自社開発に転向したことで経営が悪化し、現在は旧知の間柄だったカワサキの傘下となっているが、その威光は衰えておらず、特に日本では今でもビモータのモデルは一目置かれる。
そしてこのZ1はビモータの外装キットを搭載したモデル。角ゼットよりも四角いタンクと羽根付きのシングルシートが特徴で、カワサキのエンジンを搭載したKB1とも異なるスタイルでファンも多いが、こちらはさらにBEETのサイドカバーとイノウエのフルカウルを装着。膨らみが大きいたまご型のシールドやライト上のロゴから見ても“タイプ”ではなく当時もののカウルだろう。このフルカウルに取り付けられたGTミラーも当時感アリアリでカッコいい。
ホイールは王道ハヤシレーシングのキャストホイール。ダブルのブレーキディスクにトレンチカットを加え、マルゾッキのリアショック、さらにモリワキのスイングアームと、足回りに関してもオーナーのこだわりがとことん凝縮されている印象だ。
エンジン回りのカバー類もBEETで統一。ありとあらゆるパーツに手を加えている印象だが、なかでも目立つのがキャブレター。なんとSOLEXのキャブを使用しているのだ。
それこそ、SOLEXを知らない人はいないだろう。走りを意識した昭和の街道レーサーがこぞって装着した高回転に特化したレース用キャブで、俗にいう“ソレタコデュアル”の“ソレ”としても知られているパーツ。当たり前だが車用のパーツなのだ。
これを装着するにはΦ数を合わせていく技術力もさることながら、低速域を捨てているのでカブらないアクセルワークの巧みさも求められる。
ただのパーツオタクでは乗りこなせないバイクであることは確かだ。
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