70年代のホンダ中型バイクを支えたCBは、いわゆる“やかん”から“角タンク”にマイナーチェンジして、さらにはフルモデルチェンジを行いスタイリッシュなデザインのN、そしてスーパーホーク系へと進化していった。
驚くのは、これらの歴代のシリーズがすべて同じフレーム、同じエンジンで構成されていること。スーパーホークはアップグレード版ということでエンジンや足回りにプラスアルファの要素を加えてはいるが、フレームやエンジンの形状がほぼ一緒。当時はそこまで考えていたわけではないだろうが、そのおかげて令和の旧車好きがエンジンやタンクや外装パーツを入れ替えては様々なスタイルを楽しめているのは間違いない。
こちらは“赤ソリ”のNバブ。ヨンフォアやCBXには存在するCB系の象徴ともいうべき赤一色のこのカラーリングは、少なくとも国内の純正には存在しないものだ。
しかし、“赤ソリ”単色のカラーリングは、こうして外装の全体を見るだけで「ホンダのバイク」となるインパクトがある。ある意味、逆転の発想だ。
特徴的なのは“赤ソリ”に加えて、タンクのHONDAロゴなどにゴールドを用いている点。恐らくCBXの赤ソリのデザインを流用したものだが、サイズ感もバッチリ。
YOUTUBEチャンネル『SATA Builder's』における佐田総長の言葉を借りると「赤ちゃ金ぞ?」となるのだが、実際に赤と金は非常に相性がいい。タンクのカラーリングだけではなく、サイドカバー&キャリパーにゴールドリーフ加工をほどこしてここにもゴールドを加えている。
マフラーは一見、真ちゅう風だがこれもゴールドに塗装したメガホン菅を装着。トータルコーディネイトとしては映える組み合わせだ。
エンジンはキック無しでカバーがメッキ、シリンダーが赤と黒の塗り分けとなっていて、中部限定カラーのスーパーホークⅢ仕様となっている。
そしてこのバブの最大のチャームポイントともいえるのが、チンチラ製のサソリ三段。高さや形、シートの角度も計算づくで、耳カットのイノウエフルカウルとのバランスも見事だ。
さらに、テールがツッパリテールとワンテールの組みあせというのもワルくてカッコいい。ひと味加えたアレンジ感がたまらない。