フルカウルやタンク、テールカウルに及ぶ外装一式に銀ラメを噴いて、その上からキャンディーカラーと刺青でいうところの額の柄を駆使して全体をペイントする。この手法は北陸の旧車會のお家芸ともいえるスタイルで、過去には愛旧ジャパンスタイルブックで、同様の手法を駆使して沖縄のシーサーや守礼門を描いたGSを紹介している。
こちらのGSXは、そのGSの兄弟車といってもいい存在。銀のラメと黒い額というシブい組み合わせに、キャンディーグリーンの雷神とキャンディーイエローの風神を見事に描いている。
キャンディーカラーなので、ベースの銀ラメが透過して日光や強いライトが当たると全体をギラつかせつつ、和柄の“鬼神”たちがにらみを利かせるという構成となっている。
面白いのは、風神と雷神が左右で入れ替わっているところ。右側はタンクに雷神、カウルに風神という構成だが、左側はタンクに風神、カウルに雷神とそれぞれが入れ替わっている。
塗装面を増やすためにサイドカバーもアルフィンではなく、それぞれヒョウタンの図柄の上に「風」「雷」の文字を描いているのもポイントだ。
足回りはダブルディスクにトレンチカットを加えて個性を演出。ホイールも星キャスではなくメルバを装着して独自性を打ち出した。
ポイントカバーは三協オートのアルミカバーを装着。あえて装着の角度を変えてアレンジを加えている。
そしてマフラーも同じく三協オートのデュアルサイクロンを赤で塗装してセット。ワンポイントの赤が絶妙なアクセントとなっている。
80センチ延長の三段シートはテーマカラーでもある銀とブラックのツートン。座面の銀は外装と同じくラメ入りでギラギラに。ゴールドのパイピングはリアショックのオーリンズとも色合わせがなされているという心憎い演出も施されている。
随所にアイディアが詰め込まれている、自由度の高いザリだと言えるだろう。全国のどこにいっても目を引く仕様となっている。