「おい! お前さー、最近どう? 儲かってる?」
「いや、先輩。まともに働いても給料なんかコレっぽっちですよ。儲かってるわけないじゃないすか! むしろなんか楽して稼げる仕事ないっすか?」
「まあ、そんなもんだと思ったよ。 つーか、最近アルファードの現行買ってさー」
「え⁈ 先輩、儲かってんじゃないすか‼︎ マジ、どうしたんすか? その金って!」
「ここだけのはなし…」
と、こんな話から若者たちが欲に駆られて犯罪に加担するパターンは現代では少なくないのだろう。
若者を中心として発生する金にまつわるこの手の話しは、意外と近しい間がらから起きていることもある。
この2〜3日の間に世間で取り上げられている、「2億円のビットコイン詐取 男7人の素顔と背後に潜む首謀者」という記事を読み、若者が軽い気持ちで犯罪に加担してしまう現状について考察してみた。
「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」
これは、i-Q JAPAN読者やヤンキーや不良業界を生き抜いてきた者であれば、誰でも知っているであろう『ドラえもん』のガキ大将・ジャイアンの格言的セリフだ。
事件を振り返るとこうである。
❝「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」
時価約1億9000万円のビットコインを会社社長からだまし取った詐欺グループのリーダー格の男は、フェイスブックにそう書いていた。
詐欺の疑いで警視庁と兵庫県警に逮捕されたのは、青果販売業の東健太容疑者(24=神戸市北区)ら男7人。
東容疑者らは「誰か2億円でビットコインを売ってくれないか」などと呼びかけ、都内マーケティング会社社長の40代男性が、知人を通じてそれに応じた。東容疑者らと知人に面識はなかったという。
昨年7月25日、東京・渋谷のホテルのラウンジで、社長の代理人3人と東容疑者らが面会。
「東容疑者らはスーツケースに入れた2億円分の札束を見せた。一番上の札だけが本物という偽の札束でしたが、ビニールで包まれていたので、中まで確認できなかったといいます。で、代理人は近くの喫茶店で待機していた社長に『確かに2億円あります』と連絡を入れた。社長はスマホを操作し、横浜市の仮想通貨交換業者の口座に約640ビットコインを送ってしまったのです」(前出の捜査事情通)
そこで東容疑者らは「ビットコインが届いていない」とウソを言い、金も払わず、ホテルの外で待たせていた仲間の車に乗ってトンズラし……。
「その2日後、東らとは別の仲間が横浜市の業者を訪れた。事情を知らない業者は、手数料を引いた約1億7400万円を渡したそうです。7人はいずれも『取引の内容までは知らなかった』と容疑を否認していますが、それもそのはずで、東容疑者らはあくまで“パシリ”。計画を立てた首謀者は、別にいるとみられています」(警察関係者)
❞
主犯格の容疑者を中心に20代前半で構成された詐欺グループの犯行であるが、彼らの背後には何かしらの黒幕が存在するといった内容である。
20歳となれば憲法上、立派な成人。罪に対して罰を受ける、罪を償う責任は未成年者と比較すると格段に重くなる。
違法行為や犯罪行為を擁護するつもりはないが、細かいことを言ってしまえば人は誰しも、法の一線を超えてしまうことはあるのだ。
例えば……
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