車のカスタム文化って、何かしら時代の空気を感じる部分があるよな。俺も昔から車好きだけど、さすがに昭和のカスタム事情は詳しくなかった。
だけど訊いた話だと、当時の走り屋たちは「チェリーテール」とかいうチューニングをしてたらしい。
で、これがまた、お手軽ながらもイカつい感じでカッコよかったんだ。ツリ目や細っいLEDがトレンドになった今、昔の丸目テールランプが逆に新鮮で、今見ると渋いんだよな。
まず、「チェリーテール」って言葉を聞いたことがあるだろうか?
実はこれは、日産・チェリークーペっていう車のテールランプに由来するんだ。
俺も写真を見て初めて「なるほどこれか!」って納得したんだけどさ、今の感覚で見ると、その丸っこいデザインがどこかクラシックで愛らしい。
でも、当時の若者にとっては「お手軽カスタム」でいかにイカつく見せるかが大事だったんだよな。真ん中の長方形に収まっているウィンカーを傾けて「ツリ目」にしてイカつくしてたんだってさ。
特にスカイラインとかロケットサニーといった、同じ丸型テールランプの車種にも移植されるなど、当時の走り屋たちの間で人気があったらしい。
クルマのバックも、れっきとしたそのクルマの顔。街中で目立ちたい連中にはピッタリのカスタムだったんだろう。
さてこのチェリークーペ、意外と知られてないけど、1970年代に日産が送り出したクーペ型の小型車なんだ。
当時はスポーツカーと言えばスカイラインやフェアレディZがメインで、チェリークーペはその陰に隠れがちだった。でも、だからこそ手軽にカスタムできるっていうことで、走り屋たちにはかなりウケたらしい。当時は「スカイラインほどじゃないけど、チェリーは意外と走るぞ」っていう評価もあったらしいんだ。
そんなチェリークーペに付いていた丸型のテールランプは、車種や時代を超えて愛されるチューンパーツのひとつになってるんだな。
それにしても、昭和のチューニング文化って面白いなぁ。今だったら「そんなことで?」って思うようなことが、当時は最先端のカスタムだったんだから。チェリークーペなんて、今の基準だと軽自動車に近いサイズ感だけど、当時の若者にとってはそれが逆に魅力だったんだろうな。お手軽で手に入れやすく、なおかつイカつく見せられるっていうのが最高だったんだろう。
今じゃ、逆にツリ目とか細目のほうがトレンドになってるけど、こうやって昔の丸目テールランプを見ると、どこか懐かしい気持ちになる。それもそのはず、昭和の若者たちが自分たちで工夫してカスタムした車は、今でもその情熱が感じられるからだ。チェリーテールみたいな簡単なカスタムでも、ちょっとした工夫で車全体の雰囲気がガラッと変わる。その楽しさを、俺ももっと早く知りたかったなって思うよ。