なぜタバコを吸うのだろうか? タバコがウマいからだ。
では、なぜタバコを吸い始めるのだろうか? それはタバコを吸うのがカッコいいからだ。
考えてもみてほしい。喫煙経験のない人間がいきなりタバコを吸うとどうなるかを。
血の気が失せ、目の前が真っ暗になり、場合によっては吐き気を催してしまった経験は、喫煙者なら誰もが通った道だろう。ヤニクラというヤツだ。
普通なら、もう二度と吸いたくないとなってもおかしくない経験をしているにもかからわず、それでも吸い続けるわけだ。それはとにもかくにも“カッコいい”からに他ならない。
ただし、喫煙者は世間的に迫害を受けているのが現状。タバコが吸える場所を探すにも一苦労で、喫煙者という事実だけでも敬遠されがちな存在だ。こうした企画自体が世間からは疎んじられるだろうが、逆に喫煙者を応援したい、ということでこんな企画を立ち上げた。
不良が吸っていたらカッコよく見えるタバコ5選!
単純にデザインということだけではなく、ワルっぽく見えるという意味でのカッコよさがあるタバコをチョイスした。特に順位はないので、気になるパッケージがあれば試してみて!
缶ピース
通称・缶ピー。ツッパリ高校生が喫茶店でおもむろにポケットからこの缶ピーを取り出して吸うのがカッコいいとされていた。ただし、これは昭和の言い伝え的な側面も強く、リアルで吸っているという話はあまり聞かない。というか、高校生はもちろんのこと喫茶店でも喫煙できる店自体が激減しているので、どちらもお目にかかれる機会はだいぶ少ない。
なにしろ名称のとおり缶入りで携帯性に乏しく、しかもフィルターの付いていない両切りタバコのため、吸い口側の葉っぱを揉み出して端を絞って吸う、という小技も必要になる。諸々、入口のハードルが高いのだ。
ただし国産のバージニア葉という上質なタバコの葉を使用しているので高級感のある香りや味わいを楽しめる。缶ピーはハードすぎるという方でも、BOXタイプのピースは一度試してみていただきたい。
パーラメント
ヤンキーというより、もうひとつ上のランクの不良の方々に圧倒的な人気を誇るのがパーラメント。しかも100S。ソー〇ランドの待合室で無料で吸えるタバコNo.1でもある。知らんけど。語感的にメンソールがありそうだが、実はメンソールはない。これはガチ。
ソフトでもBOXでも、あの縦長のシルエットと吸い口側にぽっかりと存在するあの謎の空間が特徴。あの空間に「フッ!」と息を吹きかけてごみを除去する仕草が、ちょっとカッコいい。カッコいいが、正直なんで不良がパーラメントを好むのかは、まったく謎。
ショートホープ
通称・ショッポ。こちらも缶ピーと並んで昭和から連綿と続くヤンキー御用達のタバコ。1箱10本で、自販機では2個セットで販売されている。このコンパクトなパッケージがカッコいいのと、実は日本で最初にフィルター付きで販売されたタバコということで、当時はそれだけでもオシャレなタバコだった。フィルター付とはいえ、タール14mgはまぁまぁヘビー。
セブンスター
通称・セッターもしくはブンタ。呼び方は地域によって若干異なるようだが、いずれにしてもJTが誇る「THE 不良のタバコ」だろう。ここまで書き進めて気付いたが、不良のタバコにはいずれも愛称がある。今は亡きマイルドセブンも「マイセン」などと呼ばれていた。北斗の拳を持ち出すまでもなく、「7」も「星」も、どちらも不良の琴線に触れやすいモチーフなのだろう。それが組み合わされているのだから、これは当然最強だ。
ラーク
セブンスターが国産不良タバコなら、こちらラークは“洋モク”(海外のタバコを昔はこう呼んだんですよ)界の王道不良タバコ。白いパッケージのラークマイルドに対して、オリジナルフレーバーのラークのアタマに「赤」と付けて“赤ラーク”と呼ぶのが定番だった。
当時のラークのCMといえば、アメリカの映画俳優がバンバン出てきて「スピークラーク」と一言キメるのがとにかくカッコよかった。
このラークのデザインをパクった日本のタバコ、キャビンはすでに生産中止となっているが、本家のラークは今でも健在で、3・6・9・12mgと段階的に種類があり、さらに100Sがあってメンソールもあるという、実はバリエーションがめちゃくちゃ豊富な銘柄でもある。
人気のバロメーターは、“ゴミ箱”。円柱形のゴミ箱になったタバコは、不良に愛されたタバコだった。