近年、人気のカフェスタイル。旧車會系の単車をベースにするケースも多く、二台持ちで一台をカフェに、というオーナーも増えていると聞く。
なかでも、CBXとFXは需要が高いようで、オールジャンルのイベントなどでもカフェ系のイジりを施した単車を頻繁に目にする。
CBXが多く取り上げられるのには、車体自体が人気で当時からカフェ系のカスタマイズを楽しんでいたパターン、当時物パーツが多様で、始めやすかったパターンなど、様々な理由が考えられる。
イギリス風のスタイルとはまた違った、日本独自のカフェスタイルには、実際にレースにも使われていたCBXは、レーシーなスタイルのカフェにもってこいの素材なのだ。
実際、当時のパーツを様々に装着したカフェは人気が高いが、ショップとしては当時物ばかりがもて囃されるのも考えもの。新たなスタイル、新たな価値観を生み出していく必要もあるのだろう。
そこで、京都のショップ、テクニカルサービス本多が打ち出したのは、全く新しいフォルムのカフェレーサー。なんと、CBXにFXのタンクを装着したカフェスタイルを作り上げたのだ。
もちろん、CBXにFXのタンクをポン付けできるはずもなく、そこに技術力が必要となる。
加えて、全く新しい価値観を生み出すことで、パーツ選択の幅を一気に広げることも、狙いの一つだったのではないかと推測できる。
シングルシートやテールカウルは、タンクに合わせたワンオフのオリジナル。
さらにはホイールリメイクなど、同店が得意とするカスタマイズの手法を取り入れつつ、随所にBEETの当時物パーツを組みこむなど、新旧入り混じったパーツで、一台の調和を測ったのである。
決して安くはないCBXという単車で、当時物だらけのゴリゴリのカフェを作るのは、ユーザーにとっても負担は少なくない。
新規参入が可能な、開かれたジャンルにすることは、業界全体の発展にもつながるもの。今後もその方向性の行く末を、見守ってみたい。
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