ミドルクラスのバイクは350ccが主流であった時代に、あえて380ccスケール採用で登場した異端児のスズキGT380。弟分であったGT250のエンジンは、ボア×ストロークが54×54mm、排気量247cc、空冷2ストローク2気筒エンジンを搭載しており、GT380のエンジンはGT250にシリンダーを1つ追加した3気筒エンジンという流れを経てこの排気量となったわけだ。
今回はこのカスタムを一目見た瞬間に思わず「シブい!」と声に出してしまった。
外観こそ唐突さを感じさせない当時のB6純正を基本としているが、まずはメルバのキャストホイールが実に美しく、さり気ないレーシーな感じで個性を主張している。
フロントホイールにはトレンチカット加工されたディスクローターがひときわ目を引く。
トレンチカットの溝部分は車体と同系色の塗装がされているあたり実に細かい部分ではあるが、そのこだわりがグレードの高いセンスの良さを感じさせてくれる。
トレンチカット加工は見た目のカッコ良さはもちろんのこと、さらにはブレーキの特性向上にも一役買っているであろうことが容易に想像できる。
透明ポイントカバーはその名のとおりスモーククリアー状態のカバーなので、実際にポイント点火がチェックできるドレスアップパーツであり、ただでさえデリケートで気難しい点火系のコンディションを常にベストに保つために、目視で確認できる実用性の高いパーツといえる。
他の誰かと被りたくないカスタムを目指すなら透明ポイントカバーは是非お奨めしたい。
1970年代当時のスズキが独自の最新技術を惜しみなく注ぎ込んだ2ストローク3気筒エンジンは、あたかも電動モーターのように吹け上がり、4ストローク6気筒に匹敵するバランスと謳われていた。
当時のバイクは空冷がメインであり、ミドルクラスのバイクに水冷を採用すると非常にコストがかかり高額設定にせざるを得ない状況だった。そこでスズキは空冷エンジンの弱点である冷却性を向上させるためラムエアーシステムをGT380に採用した。
角張った空気導入ケースでシリンダーヘッド付近を流れる空気の流れを速くして、エンジンヘッド周りの冷却を効率化させるという仕組み。
直列3気筒エンジンは熱を持ちやすく、特に中央シリンダーはフロントタイヤが風を遮断してしまうのでエンジン上部カバー中央部分の形状を膨らませて風を集約させる構造となっている。これがラムエアシステムだ。どれほどスズキがこのマシンを完成するまでに研究を重ねてきたかが伺える。
その高性能エンジンの排気をまとめているのは城北ムラカミのショート管。軽快な排気音と潤滑油の焼けるにおいはなぜかそれだけで心を躍らせる。
2ストに付き物のオイルでベタベタになる事すら、GT380乗りにとっては魅力の一部だ。発売開始から約半世紀を過ぎたGT380であるが、その魅力は語りつくせない。
1973年にオイルショックが起こったことで当時の2ストバイクの存続が難しくなり、改良を重ね製造されたが時代の流れには逆らえず1979年にGT380は生産終了となった。
そういう厳しい時代を駆け抜けたGT380だからこそ、いつまでも大切に乗り続けてほしい。
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