巣ごもり需要などもあって、価格が一気に上昇している旧単車。RZ350/250やXJ400など、比較的入手しやすかったバイクも今では100万円を超える金額でないと取り引きに参加すらできない状況が続いているが、なかでも需要と供給のバランスが一変してしまったのがGSだ。
元々が人気車種であったため、今でもGSに乗りたい方は多い。ただ、国内モノはさほど市場に出回らず、出ても150万から250万円がボリュームゾーンという高値っぷり。加えて、部品取りのバイクも船便が滞っているため予定がまったく組めないような状況だという。
こんな状況になると悪いことを考える輩もいるもので、ネットオークションなどで個人を装い「逆車」を「国内産」だと偽って出品する例があるのだという。
「代理出品」や「以前に譲ってもらった素人」を装って、不当に利ザヤを稼いでいるというわけだ。
もちろん「逆車」が悪いわけではない。高温多湿の日本と違い、欧米の気候は(極端な例を除けば)おおむねバイクには優しい。なおかつ、コールなどによるエンジンのダメージも少ないので「むしろ逆車の方が好き」というGSオーナーさんは少なくないという。最初から逆車と分かっているのなら、何の問題もないのだ。
ただ、安く購入した「逆車」を国内産と偽って売るのはたちが悪い。そういった悪徳業者に引っかからないよう、今回は逆車GSの見分け方を見ていこう。
フレーム番号で見分ける
国内生産のGS400は、車体番号のGS400-以降が5ケタ。6ケタの場合は逆車となる。
ちなみに、国内仕様のGSの車体番号は以下のとおり。
GS400:GS400-10001~
GS400-2:GS400-42205~
GS400E:GS400-52482~
GS400E2:GS400-63122~
GS400E3:GS400-71830~
GS400L:GS400-62882~
別のパターンではGS400-以降にアルファベットが入っている場合は逆車というパターンもある。
初年度登録の年次で見分ける
GSが販売されていたのは1976~1980年の、4年間。いずれも昭和の時代だが、初年度登録が平成や令和など、最近の場合はまず間違いなく「逆車」だ。
製作年月日と登録がかけ離れているということで、逆車は車検証の備考欄にあえて製作年月日が記載されている。この記載があるだけでも「逆車」の証明にはなる。
スピードメーターで見分ける
これは有名というか当然の話だが、スピードメーターがキロメートル表示ではなくマイル表示の場合は「逆車」で間違いない。
ただ、これはさすがにあからさま過ぎるのでメーターだけ付け替えている場合も。その場合、総走行距離がおかしなことになっているので、極端に表示が少ない場合は疑ってみたほうがいいかもしれない。
シートのベルトで見分ける
GSは旧車會人気が高いバイクで、中古車市場に出回っているバイクでもある程度のカスタムが施された個体が多い。その場合はあまり参考にならないのだが、純正のシートでベルトが付いていないバイクは「逆車」だ。
ステップで見分ける
これは全てに当てはまるわけではないが、逆車のなかにはフロントステップが可変式になっているものがある。
国内モノはすべて固定式で、逆車でも固定式はあるが、可変式の場合は100%「逆車」だ。
いかがでしたでしょうか。「そんなの知ってるよ」というものもあれば、「それは初耳」というものもあったんじゃないでしょうか。
ネットオークションの場合でも、いや、ネットオークションだからこそ、基本的に現車確認は必須。それが叶わない場合は、書類や車体番号などはしっかり確認したい。ここで数字を濁したり、面倒だから対応しないなどの反応があれば、虚偽報告や、最悪の場合は盗品ということも考えられる。しっかりチェックを行った上で、納得した取引をしたいものだ。
執筆者:i-Q JAPAN編集部