自動車には決して欠かせないアイテム、ライト。
車体の前後左右に取り付けられたライトは道交法上で「灯火類」と総称され、それぞれが照明や合図などの役割を果たしている。
そして自動車の発展とともにイメチェンの主役となっていたのもまた、ライトだ。
カスタムカー界隈においては内装の照明などと併せて「光モノ」とも呼ばれ、コスパや(施工所要時間的な)タイパが高いことから、ドレスアップの定番として親しまれているのは周知のとおり。
その中でもひときわインパクトが高く、憧れともなっていた「スキャナー」を、覚えているだろうか?
ナイトライダーといえば、スキャナーだよね
スキャナーといってもピンと来ない人がいるかもしれない。でも「ナイトライダーのアレ」といえば、 恐らく分かるんじゃないだろうか。
そう、あの「フォンフォン、フォンフォン」と音を立てて赤い光が左右に動く、アレだ。
今でいうと「シーケンシャルウィンカー」のご先祖様、とでも呼べそうなやつである。
ではここで、おさらい。
『ナイトライダー』は、1980年代に放送されたアメリカのテレビドラマで、人工知能を搭載したスーパーカー「KITT(Knight Industries Two Thousand)」が主人公のマイケル・ナイトと共に悪と戦うストーリーになっている。このKITTの特徴的な装備の一つが、フロントグリルに装着された左右に動く赤い「スキャナー」だったのだ。
このスキャナーは、KITTの「目」として機能し、周囲の情報を収集・分析する役割を果たすもの、という設定になっていた。
色違いや自転車用もあったらしい?
そんなスキャナーはドラマが放映され(アメリカでは1982年から、日本では1987年から)人気が高まるにつれ、本国アメリカはもとより、日本でも光モノとして製造・販売されるようになる。
恐らく、その見た目のインパクトもさることながら、アメ車(KITTのベースになったのはマッスルカーのポンティアック・ファイヤーバード・トランザム)への憧れ、人工知能で走る本当の「相棒」みたいなクルマへの憧れ……それらがないまぜになって、「オレのクルマにもスキャナーを付けてみたい!」というニーズが発生したんだろう。
そしてこの市販スキャナー、今でこそ一般的になったLEDをいち早く採用したパーツでもあるのだ。
それまで外装用の光モノといえば、リアバンパーの下に付けるホタルランプなどがメインだったが、スキャナーのように光のインパクトが強いバータイプ商品は皆無だった。
そのため夜間の注目度は満点で、特にエアロ仕様車とは相性バツグンだったこともあり、80年代後半から90年前半にかけてはバニングへの装着率も高かったとか。
そして色違いの青色(KITTは赤、KARRはアンバー)のモノや、なんと自転車用まで販売されていたそうだから、当時の人気ぶりが窺い知れると言うモノだ。
今でもバッチリ売ってるぞ
1987年に幕を閉じた『ナイトライダー』だけど、その後も続編・新作が制作され、今も根強い人気を誇る。
そして市販スキャナーもまた、今も製造・販売しているメーカーが存在する。
カリフォルニアにあるkittparts.comではスキャナーだけでなく、各種インテリア・エクステリアパーツも売っている。しかも4〜5ヶ月でKITTのレプリカも作れて、全世界発送も可能とのこと。
ポンティアック・ファイヤーバード・トランザムを所有しているか、または『ナイトライダー』マニアを自負しているアナタ、一度購入を考えてみては?!