旧車會界隈でCBX400Fの人気が高いのは、市場での希少価値の高さに加えて「コールが切りやすいから」という側面は当然あったはずだ。
ハンドリングがしやすいポジション設計になどもあるだろうが、単純に出力が高く、必然的にエキゾーストが大きくなるなどのメリットもあったことは想像に難くない。
そのCBX400Fのカタログスペックが48馬力。これは当時の中型空冷4気筒バイクでは最高値(ほかにGSX400FSインパルスも同値)だったのだが、CBXのⅠ型が登場してから2年後に発売されたCBR400Fは58馬力を叩き出すハイパワーマシンだった。
角目ライトにアルミの角フレームというスタイルはかなりレーシーで、ルックス的にはかなり次世代を感じさせるものではあった。年長者からは「ちょっと違うんじゃないの?」という声もあったが、若い層からはむしろ「普通と違うバイク」と好意的に受け取られていた。さらにコールという旧車會特有の文化を考えると、CBXを上回るハイパワーは明らかにメリット。最近では旧車會の現場、特にコールコンテストなどで目にする機会は増えていった。

こちらは純正外装を身にまとったCBR400F。角フレームや扁平のタンクなどと同様、象徴的なパーツの角ヘッドライトやライトステーも、そのまま装着。旧車會仕様だとライトステーを外して丸型のライトに換装されるケースが多いが、これを残すことで必然的にCBRらしさが強調されている。

タンクはオリジナルの純正。コーションラベルも残っている状態は、コンディションの良さを物語っている。
ただしサイドカバーやテールカウルはBEETに換装。純正とは全く形状が異なるアルフィンカバーやテールを装着しつつ純正の白×青のカラーで塗装してるのは、このタンク生かしで仕上げているからだろう。

ハンドルは操作性の高いローリングハンをセットバックして取り付けて、CBXのスイッチボックスを換装するという、コールを意識した仕様となっている。

マフラーはプリティーレーシングのガニマタブレット管。BEETのスターターカバー&ジェネレーターカバーを装着しているエンジンは、REVのバランスが中速域寄りに変更されたⅡ型を搭載している。

三段シートは約50センチ延長の赤エナメル製。純正の外装とのコントラストが強烈でインパクトばっちり。ケツ上げの角度とも相まって、ワルい空気を醸している。
テールはLED内蔵の“誘惑テール”。フィンカバーが付いていないのには理由があった。
■チーム名:ヨルセン
■オーナー:ゴキブリ君
■ひとこと:音
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