このシリーズでは旧車にピッタリなリアサスについて紹介していく。
旧車好きには馴染み深いサスペンションメーカーばかりだが、今一度ブランドのことを調べてみると各メーカーの魅力がどのようなところにあるのか理解しやすくなるだろう。
前編と後編に分けて6つのメーカーを紹介する。
今回はマルゾッキ、オーリンズ、コニーの3つのメーカーだ。
MARZOCCHI/マルゾッキ
マルゾッキは1949年にイタリアで創業したメーカー。
旧車好きに人気のメーカーで、現在はマウンテンバイクのサスペンションを中心に製造しているが、創業当時BMWやドゥカティをはじめ、さまざまなメーカーにサスペンションを供給していた。
乗り心地は柔らかめと言われており、鮮やかな赤のリアサスといえばマルゾッキ!というイメージを持った方は多いのではないだろうか。
GSやバブなど、多くの旧車乗りが愛用する馴染み深いメーカー
現行品は販売しておらず、マルゾッキの当時物は状態が良いものが少ないため中古品をオーバーホールして使用することになるのがほとんど。
さらに偽物が多く出回っている様なので手に入れたい人は苦労しそうだ…。
OHLINS/オーリンズ
世界的に有名なスウェーデンの一流サスペンションメーカーのオーリンズ。
その品質の高さからMotoGPの有力チームの車両に装着されるほど!
高級品でなかなか手を出しにくい、ゴールドにロゴの入ったリザーバータンクのリアサスは憧れの的で、XJRに標準装備された際にはかなり話題にもなった。
初期のオーリンズは骨のような形状から「ガイコツオーリンズ」と呼ばれ当時物として人気がある。
高性能なポイントはパーツの精度の高さ。
サスペンションは低フリクション(摩擦抵抗)であるほど性能アップにつながるが、オーリンズのサスはそれを実現している。
その秘密は誤差1000/1という高い精度の製造技術だ。
精度の高いパーツで作られたなめらかなサスペンションの動きは、乗っている人間に感動を与えるほど。
この精度の高さはサスペンションの耐久性の高さにもつながっており、オーバーホール可能で永く愛用できるところもありがたい。
レースで使用されるサスペンションと市販の商品は、ほとんど差がなく作られているため、走りにこだわる単車乗りから評価が高いのも納得できる。
対応車種も幅広いためさまざまなバイクに取り付けられることも人気のひとつだ。
KONI/コニー(アイコン)
次は1857年にオランダで創業されたコニーの紹介だ。
1932年から4輪のサスペンションメーカーとして参入し、F1やラリーで採用される高性能な製品を提供していたのが、このKONI。
しかし、2000年になると二輪のサスペンションの製造の中止が決定されてしまう。多くのファンがこのニュースを知って涙したが、なんとオーストラリアのプロベン社が製造販売権を引き継いだ。現在はブランド名をIKON/アイコンとして製造が続いている。
その魅力は何といってもクラシックな外観とコストパフォーマンスの高さ!
リザーバータンク一体型で、旧車にマッチしながらも安価でオーバーホール可能な造りはとても魅力的! サンパチやマッハなど、70年代に生産されたバイクオーナーからの支持率は高い。
翼のロゴが渋い初期型のウイングコニーは当時物を求める愛好家に大人気だ。
後半に続く!!