天を衝くかのごとくロケットカウルを高々と掲げる、ブチ上げ。族車文化の中でも特に異色の存在とされるカスタマイズのひとつだ。
その見た目は誰をも圧倒するが、自在に操るには相当のテクニックも必要とされる。そんな選ばれし者だけに許されるアゲアゲ仕様のゴキを見ていこう。
まず目に飛び込んでくるのが、なんともワルい感じにブチ上げられたロケットカウル。そのテッペンにはサーチライトのようにマーシャルフォグが掲げられ、相手を見下ろすかのような威圧感が漂う。覆面のように纏ったバンダナもワルさに拍車をかけている。星型電飾のウインカーもグッド。
年季の入ったエンジン周りはその爆走の歴史が刻み込まれているかのようなヤレ感。そしてその底部を支えているのが、REDSTAGEの番長コラボ爆吸管! 灼け具合やサビまでもがマシン自体の魅力をもアゲる要素となっている。ちなみにオーナーによると「キャブセッティングに苦労した」とのこと。
大川製三段シートのタンデムベルトには真っ赤なカラーバットをこれ見よがしに突き刺して戦闘力(?!)をアピール。そのシートをリアから見れば、背面をほぼ覆い隠すようにツッパリテールがロケットカウルに負けない勢いでそそり立つ。
そしてパープルの回転灯に3連ラッパ、吊り輪、そして懐かしのチェリーテールと、ワルいパーツてんこ盛り。「後ろ姿で語る」族車はやっぱりカッコいい。思わず嬉しくなる!
なお、オーナーによるとペイントショップ名は「ホームセンター ビバホーム」……つまりDIYとのこと。ロケットカウルを支えるステーも手作り感バリバリで、こういう点も「古き良き族車の雰囲気」を高めるのに一役買っているのだろう。
ハンドルは人気のアキラハンに換装し、いかにも旧車らしいフォルムにまとめている。
「アクセルの軽さが気に入っている」というオーナーの言葉の裏付けとなっているのがワンズアンドエムの軽スロ。250ccではあるが装着しているアイテムの多くはコール仕様となっていて、意識の高さは十分に感じさせるもの。今後はボアアップを予定しているとのことだが、これもコール性能向上に向けた一手と考えてよさそうだ。
目立つ、という一点突破のために乗りやすさや爽快感など様々なものを犠牲にしないといけないのが、ブチアゲ。それだけに、選ばれた者だけが操ることができるタイプのバイクでもある。
そしてオーナーみずから手を加え、愛がたっぷり注がれたマシン。ニーハンながらもその威風に圧倒される。こういう「世界に一台だけのバイク」に出会えるのも、旧車の楽しみといえそうだ。
■オーナー:前ちゃん
■チーム名:D-SHOP
■ひとこと:D-SHOPよろしく!!