完全に市場価格がコロナ禍以前に戻り切っている訳ではないが、ひと頃の過剰高騰期は過ぎた感のある旧車バイクの販売価格。バブが150万円、サンパチが250万円など、目玉が飛び出るような値段が付いていた時期もあったが、コロナ禍が一段落して、止まっていた海外の輸出用コンテナが動き出したことで需要と供給のバランスが取れつつあるようだ。
実車が手元にある状態ということもあり、ヤフオクなどでの取引も以前に比べると増加傾向にある。バイクの価格設定も、それに伴ってかなり落ち着いてきているようで、バブのNなら60万円程度、Tでも100万円以内に収まる範囲での取引が一般的なレベルになってきている。
そんなネットオークションの取引上で、時に繰り広げられるやり取りがある。
「類別枠内ですか?」
「枠内です」
といったもの。
ある程度の知識がある人からしたら当然すぎて「何を今さら話題にしているのか?」というレベルなのだろうが、車両販売ビギナーにとっては意味が分からないのでは?
と、いうことでその意味をここに掲載したい。
まず、型式指定番号とは車種ごとに設定されている番号。生産したメーカーや搭載されているエンジンなどがわかるもので、税金を見積もるためなどにも利用される。
そして類別区分番号は、その車種のグレードごとに細かく分類して数字で表したもの。通常、3~4桁の数字で車検証に記載されている。
この型式指定番号と類別区分番号は国土交通省から認可を受けた仕様に対して振り分けられるもので、構造変更や職権打刻などで認可を受けた仕様から異なる形状となっている場合は番号が取り消され、あらたに備考欄に別の数字が記載される。
つまり、この類別区分番号が正規の枠内に記載されているイコール改造した状態で車検を通した履歴がない、ということになる。
先ほどのやり取りに翻訳を付けるとしたら、
「類別枠内ですか?」(改造履歴ありますか?)
「枠内です」(ありません)
といったところだろうか。
純正に強いこだわりを持つ方からすれば、「改造歴がない」ことは必須条件なので、のちのち売却することを考えると車検時に完全ノーマルの状態に戻して検査を通すという手法ももちろんある。
ただ、のちに販売することを視野に入れていなければ、構造変更して合法の状況で乗っている方がいいのは間違いない。カスタム需要があるバイクであれば、「類別枠内」であるか否かを気にしない人も多いはず。冷静な判断が求められる。