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【サ店から】あの憩いの場所よもう一度?! 昭和の走り屋やバイク乗りがタムロってた場所が今でもエモい件【ファミレスまで】

バイク乗りにとって、「たまり場」はただの待ち合わせ場所や休憩地点じゃなかった。

そこには、世代を超えた思い出と絆が詰まっている。特に昭和のバイク乗りたちにとって、たまり場は一種の「聖地」だったと言っても過言じゃない。

思い出してほしい。いまやスマホで「どこ集合?」と簡単に決められる時代だけど、昭和の頃はまったく違ってた、ってことを。地図を頭に叩き込んどいて「あの場所でみんなが集まる」という、あの独特の感覚を。

そのエモさ、わかるだろうか?

今回は、そんな「昭和のたまり場」について、時代ごとのスポットを追ってみようと思う。意外と知らなかった「バイク乗りのたまり場文化」を共に発見しながら楽しんでもらえたら嬉しい。

 

昭和初期:まだ「サ店」が全盛期だった

 


 

戦後すぐの昭和初期から、バイクは庶民の憧れだった。自由や夢を象徴するものとして、バイクに跨がる若者が増え始めた。

ところが、当時はまだバイク乗りのための「たまり場」という概念はほとんどなく、喫茶店(サ店)が自然発生的にその役割を担っていったらしい。

サ店の中でも、特にバイク乗りが集まりやすかったのは、国道沿いや街道沿い、峠の入り口にあるお店だった。店の前にバイクを停めて(その頃はバイクを堂々と路駐できたのだ!)そこに集まったバイク乗りたちはコーヒー片手に談笑したり、次のツーリングの話を熱く語ったりしていたそうだ。特に当時は「白バイ」の取り締まりが厳しかったから「ここなら安全だ!」と見つけた場所がイコール「たまり場」となったワケだ。

 

昭和中期:海沿いの駐車場が熱い!

 


 

昭和30年代から40年代にかけて、バイクの普及が一気に進んだ。この時代、バイクは「速さ」や「自由」を象徴するものとして、若者たちにとってのヒーロー的な存在だった。

それと同時に、海沿いの駐車場が「新たな聖地」として注目を浴びるようになる。特に海沿いの夜景を眺めながらバイク仲間と語り合う、というイキな過ごし方もあったとか。

一部の海沿いスポットは、現在でも当時の雰囲気をそのままに残している。

例えば、神奈川県横須賀の「観音崎パーキング」なんかは、当時も今もバイク乗りにとっての定番スポットだ。かつて要塞だった観音崎は東京湾を一望できる絶景ポイントで、海を見ながら一服するのが至福の時間だったとか。

現代でも訪れるバイク乗りが絶えず、「ここに来ると昭和の時代を感じる」と話すライダーも多い。

 

昭和後期:峠の茶屋とファミレスがタムロの場に!

 


 

昭和も後期になると、今度は「峠」がたまり場として台頭する。

峠というとテクニックとスピードを追い求める走り屋の舞台、自然とたまり場としての魅力は倍増した。特に「箱根峠」「赤城山」、関東では「奥多摩」など、全国各地の有名な峠に自然と走り屋やバイク乗りたちが集まってきたらしい。

当時のバイク乗りが愛用していたのが「峠の茶屋」だ。多くのバイク乗りが、レースさながらのスピードで峠を走り抜け、茶屋でコーヒーを飲みながら一息つくのが恒例行事だった。茶屋の店員も慣れたもので「今日も速かったな!」なんて声をかけることもあったそうだ。赤城大沼近辺おのこ駐車場はいまでも訪れる人が多く、あの頃と変わらない雰囲気が味わえるのも魅力だ。

そして、昭和の終わり頃になると、もうひとつの「たまり場」が誕生する。それが「ファミレス」だ。

当時のバイク乗りたちの間で「24時間営業」のファミレスは革命的だったと言える。特に深夜のファミレスにたむろするのは、夜遅くまで走り続けるライダーにとって理想の休憩スポットだった。デニーズやジョナサンなど、いまでも日本中にあるファミレスで昭和のバイク乗りが集まっていたと考えると、なんだかエモく感じないか?

 

現代:残り香を探して

さて、現代ではどうだろうか?

もちろん、今も旧車會やバイク好きたちが集まる「たまり場」は健在だが、昭和ほどの「ここ!」という定番スポットが減っているのも事実だ。今やSNSで「集合場所」を告知し、どこにでも集まれる時代。

しかし、今でも残っている「昭和のたまり場」に足を運ぶことで、あの時代の空気を少しだけ感じられるのもまた事実だ。

例えば、前述の「観音崎パーキング」や「赤城山の茶屋」は、いまでも多くのバイク乗りに愛されている。あの頃のままのたまり場に訪れてみると、「バイク乗りっていいなぁ」と、共感する心が芽生えるかもしれない。

昭和のバイク乗りが残した足跡を辿ることで、自分もその一部になったような気持ちを味わえるはずだ。

時代が変わっても、バイク乗りの「たまり場」への思いは変わらない。俺たちも昭和のバイク乗りたちと同じように、仲間と語り合い、同じ場所を共有する楽しさを見つけていきたいもんだな!

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