GSを中心に、装着車両を見かけることが増えたフローティングディスクブレーキ。純正のディスクローターに比べると大径で外周も正円ではないためデザイン性が高く、ピンなどがついているので見た目的にもオシャレだ。
もちろん、ただのファッションではなく純正品と比較して性能が格段にアップするのは間違いない。
外周が正円ではなくギザギザにカットされているのは、放熱の面積を広げるため。表面温度が高まると、熱膨張によってほんのわずかではあるが変形する。この変形によってブレーキ効力が落ちるのを防ぐのが目的だ。
サイズ自体が大きいのも、放熱を目的としている部分もある。そして表面にドットやライン上の切れ込みがあったり、型抜きになっているのも同様の理由。熱対策というのは、それだけ重要なのだ。
そして、ブレーキディスクのセンター付近に装着されているピン。これも見た目にオシャレな感じがするが、これが「フローティングディスク」の語源ともいうべきパーツ、フローティングピン。読んで字のごとく、本体からピンが浮いた状態で、ワッシャーで可動部に余裕を持たせている。
なぜそんなことをするかというと、ローターの外側をブレーキパッドで圧縮して回転を止める(=ブレーキがかかる)際にローターとパッドの接触時間を短くするためだ。
接触時間を短くするのも熱対策のひとつ。接触時間を短縮することにより、操作性を高めるとともに熱膨張を押さえている。
ただ、基本的にはレーシングパーツで、ストップアンドゴーを繰り返す過度な乗り方をしなければ純正パーツでもブレーキ性能にさほど大きな問題はない。ルックス重視で装着されている方も多いだろうが、装着すれば一クラス上のブレーキ・フィーリングを味わえるのは間違いないようだ。