基本的に、外装ペイントに「コレはやっちゃダメ」というルールはない。プレスラインの形状的に相性がいいヤマハのYSPラインをゼファーに入れる人もいれば、形が似ているTバブのタンクにGSのE2ラインを入れている方もいる。
「コレはやっちゃダメ」というルールはなくても、似合う似合わないはどうしてもある。タンクに折れ目がはいっているかどうか、もしくは折れ目がどのような形で入っているかによって、似合う、似合わないも決まってくるようだ。
数こそ決して多くはないが、確かなインパクトを残しているのがエアブラシによる絵画ペイントを加えた外装。特に今回紹介しているGS400のようなラッセン調のイルカやクジラを描いた海中のイラストは、常に一定の愛好家がいるイメージがある。
特にこちらのGSのようなワントーンでまとめたスタイルのデザインは関東圏で人気が高いようで、定期的に見かけるスタイルだ。
外装全体をキャンバスに見立てる手法もあるが、こちらのGSはEラインを基調にしたフチの内側に“海”を描いている。単純にイルカをエアブラシで描いてしまうと、“ただのイルカのイラスト”になってしまうが、水面を透過して届く波光が描かれているので、しっかりと“水中を泳ぐイルカ”になっている。
フレームはラメ入りの赤。ポイントカバーやシリンダーヘッドカバーなども赤に塗装してスペシャル感を演出。マフラーは三協オートのハス切りが装着されている。
ホイールはあえてのHリムのスポークホイール。スイングアーム&トルクロッドはアルミのレース用を装着しているのだが、その先にはホタルライトも。この日はサムアップシートが付いているが、恐らく普段は三段シートが付いているとしか思えない仕様。
ハンドルそのものがアキラハンで音職人グリップとXホルダーが装着されている。これが全部ただの飾りということは考えにくい。
“世を忍ぶ仮の姿”だとしても目立ってしまう精度の高さがあるバイクだ。
執筆者:i-Q JAPAN編集部