サンパチは、70年代のバイクで2スト3発という独特な特徴を持つため、若年層のオーナーが少ない傾向にある。しかし、バイク愛好家の中では、サンパチ固有の特徴を個性と捉え、カスタマイズを通じてその個性を引き出す動きが見られる。
このサンパチもその一例だ。一般的なサンパチのスタイルを踏襲しつつも、独自の個性を表現した仕様となっている。
まず目にして頂きたいのが風防の装着具合の美しさ。曲げ具合、ライトとのバランス、垂れの具合といったすべてが美しい。
「毎度毎度、風防風防うるせーッ!!」
と言われるかもしれないが、それだけ風防の取付はシビアで、美意識がハッキリと出てしまうアイテム。露天風呂で手ぬぐいを頭にのせているような姿をみると、他でどんなにしっかりとカスタムしていたとしても、台無になってしまう。
エンジンのフィンにはお約束アルミ製ピンチ。ランダムに取りつける方も少なくないが、こちらは整然とビッシリ並べられている。この辺は恐らく性格だろう。
さらに、マフラーにはSRSスガヤの集合チャンバーが装着されている。チャンバー特有の溶接の継ぎ目が特徴的で、カッコいい。
また、目を引くのが全日本麗心愚連盟のポイントカバーだ。このカバーを掲げることは、単なるバイク愛好家ではなく、長い歴史と伝統に根ざした愛情の表れとされている。
だからこそ、このフレアが長く立体感があるオリジナル度が高いファイヤーにも説得力があるのだろう。黒と赤という認識度の高い組み合わせに反射のオレンジの縁取りは、昼夜を問わず目を引くこと間違いない。 これはカッコいい!