いわゆる「現行車」のカテゴリーにおいて、王者ゼファー、水冷のCB400SFと肩を並べる存在でもあるヤマハのXJR400。「空冷最速のネイキッド」をコンセプトとするこのマシンも93年のデビューから30年以上経っているバイクではあるが、まとまりの良さを感じさせる車体のバランス感とコール機としての需要から人気が高いバイクだ。

まずはボディを彩るラインに注目したい。ボカシラインの三本巻きはXJRの定番スタイルだが、それも高崎市のカスタムペイントショップ「ヌリジイ」の手にかかればご覧の通り。艶やかなソリッドブラックのベースに内側に白のボカシを加えたラインはコントラストも強く、遠目で見ても間近で見ても目を惹く存在だ。

そしてこのマシンのもうひとつのポイントが、赤にペイントされたフレーム。マシンの心臓部を納めたその色はブラックを基調としたカラーリングに燃えたぎる血潮のようなインパクトを与えてくれている。マフラーはワルツ管を取り付け、メタリックな質感によるドレスアップもさることながら、XJRのコールマシンとしての持ち味を高める工夫がなされている。


リアサスはカヤバに換装。そのリザーブタンクの色合いがリアビューに影響しているのもオシャレだ。テールカウルは意識的に角度を上げてセット。ワルさを醸す”後ろ姿”に仕上がっている。

ハンドルはアキラハンに換装し、軽スロでコール重視のセッティング。トップブリッジはフレームに合わせたレッドにペイントされ、視覚的なインパクトも抜群だ。さらにピンクゴールドのブレーキバーが加わることで、“遊び心の効いたワンポイント実用パーツ”として存在感を放っている。
シンプルながらもツボを押さえたカスタムで、シートに跨った瞬間から旧車會的なテンションを高めてくれる仕様だ。

空冷4発でコールが切りやすく玉数も豊富、そして速くて壊れにくい、と好条件が揃っているXJR400。その行く先をこれからも見守っていきたい。
■オーナー:リョウ
■チーム名:空
■ひとこと:音で勝負
【前の記事を読む】
