旧車會では少数派のヨンフォアだが、一般的には超人気の旧車。お宝バイクとして認知されているCBX400Fを上回る価格設定になることも珍しくない。
『疾風伝説 特攻の拓』や『ホットロード』など、暴走族を扱った80年代・90年代の人気漫画で“伝説のバイク”として扱われることも多く、当時から「高嶺の花」といわれることもあった特別な存在だった。
そんなヨンフォアをしっかりめに仕上げているのがこちら。色みを抑えているためパッと見ではノーマル感が残っているようにも見えるが、よく見るとノーマルどころかフルカスタムに近く、随所に手が入っているのがわかる。
ユニークなのがタンクの塗装。純正色に近いブルーのベースにラメを吹いて、フチに黒のシャドーを入れたファイヤーを描き、その上からブルーorグレーのキャンディーを乗せて、HONDAのロゴを描いている。「super sports」をもじったコピーを乗せているのも面白い。
足回りはスポークホイールからメルバのキャストホイールに変更されているのがわかる。ホイールを見せるため、あえてシングルディスクをキープしている点もポイントだ。
フェンダーは前後とも鉄メッキでフロントはスタビライザーとステアリングダンパーを装着し、操作性を高めた。
ヘッドライトはシビエの“へっこみ”を装着。ステーでわずかにライトアップしてハンドル周りとのバランスを取っている。
ウインカーは黄ばみがかったクリアレンズで全体のトーンに合わせている。
エンジン回りはきれいに磨き上げられていて、オーナー氏の愛情が感じられる。
キャブはヨシムラMIKUNIの直キャブを装着。アルミのファンネルがかつてのレーサーのようでカッコいい。
シートはタックロールのセミシングルシート。サイドのモールが旧車感を醸し出している。
リアサスはYSS。レース用のスイングアームは黒で塗装して全体のトーンとの統一を図った。
ホタル灯のかわりにサングラスのアヒルが取り付けられているのがカワイイ。
ひとつひとつのパーツを際立たせてはいないが、チョイス自体は個性と主張を感じさせるもの。トータルでまとまりのある車両に仕上げている。