バイクカスタムを施す上で、外装塗装は基本的に重要なウェイトを占めると言われる。
確信があって純正ペイントをキープする方もいれば、デザインはそのままにカラーリングだけ変える方もいる。定番のカスタムパターンを踏襲する方もいれば、完全オリジナルなデザインを用いる方もいるだろう。
どういった外装に仕上げていくかは、オーナー氏のバイクに対する向き合い方の意思表示でもある。
バイクはその特性上、どうしても塗装面が限定される。そのため極度に複雑な図案は逆に伝わりにくかったり、思ったほどの効果が得られない場合も見受けられる。
このジレンマを解消するためにはカウルなどを装着して物理的に塗装面を増やすという手法もあるが、それがおいそれと許されない事情や環境がある場合も少なくない。
限られた条件のなかで、どのように唯一無二の相棒に仕立て上げていくか、がバイクカスタムの難しくもあり、また楽しい部分でもあるのだろう。
唯一無二の個性があって、なおかつ認識度が高く、10メートル先からでも50センチの近距離からでもクオリティの高さを感じさせる、そんなペイントを加えているのがこちらのGSだ。
砂浜、海、空、そしてヤシの木……。ほぼストライプのようなカラーリングでありながら、ひと目見ただけでもこれが夏の南国のビーチだということがわかる。こうしたモチーフはそう滅多にあるものではなく、目の付け所が鋭いといえる。
さらにタンク上面にはレイと腰みのを着けた女性の姿を描いたペイントが。キャンディーアートの文字を見れば、そのクオリティにも納得だ。
そしてこのGSが「ペイントだけでしょ」とならないのは細部の仕様にも腐心しているのが見て取れるからだろう。
足回りは前後ともフローティングディスクを装着したトリプルディスクでキャリパーは前後ともブレンボ。しかもリアディスクにはサポートを取り付けてキャリパーをダブルで装着している。
リアの足回りでいえば、スイングアームに強化フレームを補強し、リアサスは国内ブランドのアラゴスタ。マフラーは三共オートのデュアルサイクロンを装着している。
さらにポイントカバーやクラッチカバーをクリアに換装し、スプロケットやスプロケットカバーにも個性を発揮。目につくパーツは随所に手を入れており、ペイントのアイディアだけの単車ではないのが分かる。
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