同じ旧車好きでも、外装デザインを自己流にカスタマイズしてこそ“改造だ”と豪語する方もいれば、外装のカスタムをまったく好まない純正外装至上主義の方もいる。
後者の主張として、「世界企業でもある日本のバイクメーカーが採用したデザインとカラーリングに、素人の発想がかなうはずがない」という意見がある。
ある意味それは正しくて、バイクの育ての親でもあるメーカーが会議に会議を重ねてたどり着いたデザインとカラーリングが、そのバイクに似合わないはずがないのだ。広く一般に好まれるデザインは売り上げにも直結する。社員全員の命運を握っているのだ。生半可な覚悟で出せるものではないのは間違いない。
ただし、これはあくまでも最大公約数を前提にしたもの。これが最高だと感じる方は絶対的に多数を占めるだろうが、どうしても色や形には“好み”がある。白が好きな人もいれば、白が一番嫌いという人も存在する。最大公約数はそうした個々の好みに対応してはくれない。だからこそ、カスタムが存在する。どちらが良い悪いの話ではない。好みの問題だ。
こちらのCBXは純正のラインを活かしつつ、カラーリングは全くの別物に仕上げている。
特筆すべきはそのド派手さ。メインとなる2色がイエローとレインボーラメ。このツートンだけでもかなりのインパクトだが、2本巻きのラインがキャンディーレッド&パープル。赤と紫、不良の2色を用いているのがワルい。
デュアルカウルの側面には反射でカスタムショップ名が描かれているのだが、抜き文字になっているのもポイントだ。
さらにそのワルさを増幅しているの赤で塗装した竹やりマフラー。黄色の三段シートとは高さや角度も合わせてあって、ワルいながらもバランスの良さが見て取れる。
そのバランスの良さはスタビライザーやヘッドライトカバーなどの細部のワンポイントに竹やりと同じ赤を用いたり、サイドカバーやエンジン回りのカバー類はフィンで統一したりと、様々にポイントを作っているのも見どころだ。