ちょっと時期が過ぎてしまったが、この季節になると思いだすことがある。
暴走族からボランティア団体になったチームのことだ。
茨城の『全日本狂走連盟愚連隊大洗連合ミスティー』というチーム。
歴史は古く、それまで大洗の街を30年以上守ってきた老舗中の老舗。チャンプロードが創刊される前からあったチームだ。
その伝統あるチームを、解散させた。
❝解散したのは、大洗町を拠点とする暴走族「全日本狂走連盟愚連隊大洗連合ミスティー」(構成員約15人)。震災前は、大洗海岸沿いの国道51号などで疾走を繰り返していた。❞
それが、震災を機に「ボランティアチームになる」と、暴走族を解散した。
人の心に触れたのが、きっかけだった。
❝解散のきっかけは東日本大震災。避難所などで「敵」と思い込んできた近所の大人や警察官から「飲む水はあるのか」などと気遣われ、「暴走なんかしている場合じゃない」という気持ちが強くなったという。泥まみれになった町役場の清掃に参加するメンバーも現れた。
❞
チームの旗も、警察署長に手渡した。
決意のあらわれだったのだろう。
❝解散式では、暴走族の少年総長(16)が「今まで地域の人に迷惑をかけた。今後、暴走行為は行わない」などと宣誓書を読み上げた。「族旗」も水戸署大洗交番所長に手渡し、同町職員や警察官らから拍手が送られていた。総長は「これからは同じ境遇の少年たちも巻き込んでボランティアとして頑張りたい」と誓った。❞
のちに、「なぜ解散させたんだ」といってOBが詰めてきたという話もうわさ話で入ってくる。相当大変なことだったはずだ。
この話を聞いた当初は「暴走族として、ボランティアはできないのかな?」と、思わないこともなかった。門外漢としたら、植え付けられたマイナスイメージを払拭する、いい機会なのにな、などとも思った。
だが、それはあくまで“こちら側”での話。震災の当事者にそれを言うのは酷な話だし、それだけショックも大きかったということだ。
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震災から、はや7年。今一番気になるのは、彼らがボランティアとしての活動をまっとうできたのか、という点。すごく気になる。
一度でも道を誤ったら、何が何でも許さない、という最近の風潮がある。正直、はいそうですかと受け入れてくれるものでもない。彼らの心が折れていなければいいが……。
執筆者:i-Q JAPAN編集部