単車の花形・CBX400Fをカラーリングする。それだけで幸せな悩みに陥りそうだが、旧車會メンバーならば一度は味わいたい悩みと言えるだろう。他のマシンとはカブりたくない!という思いからオーナーのセンスがフル回転した結果、様々なCBXが生まれているワケだが、これもそんな1台といえる。
まず一見して目を奪われるのは、流麗な3本巻きラインが引かれたフルカウルとラメ入りのタンク。青から緑へのグラデーションラインが黒ベースの車体に鮮やかに映え、躍動感を放っている。ペインターは群馬のパンチィライフ。フレームや足回りだけでなく、カウルの内側まで大胆な真紅に塗装され、強い存在感を発揮している。
そしてハンドル周りを見ると、カウル内だけでなくトップブリッジも真紅にペイント。ここまで近づくとラメ粒の存在もはっきりしてきて、ランダムに煌めく。メーター類は純正を活かしつつ、◯ーポくんキーホルダーがぶら下がるなど、遊び心も忘れていない。
カウルに包まれたエンジンまわりは隅々まで磨きがかかり、存在感が際立っている。BEETのジェネレーターカバーもギラつきすぎない絶妙な色合いで、車体全体の高級感とマッチしている。
エンジンから伸びるエキパイは84メガホン3マフラーにつながり、ブラックとの切り替え部分にもこだわりが見て取れる。このマフラーはオーナーが特に気に入っているパーツとのこと。
ステッカーは川口三段シートの背面とリアフェンダーに集合していて、リアビューを賑やかなものにするだけでなく、定番かつ信頼のあるネームが並ぶことで“旧車會の絆”を強く感じさせる。そしてこれらのステッカーは飾りではなく、オーナーのプライドを物語る名刺代わりでもある。
テールカウルや拡声器にはボディと同様にラメが入り、キラめきを放っている。拡声器のカッと開いた内側の真紅がなんとも刺激的かつ官能的だ。
全体に散りばめられたフレークはレインボーラメ。タンクのカーブに合わせてキラキラと自在に色味を変えてくれる。日中でも十分に目立つが、夜のストリートでは一段と際立つに違いない。“映え”を通り越して“魅せる”バイクだ。
仕上がりの具合、カラーリングの妙、そして遊び心と愛情の詰まったこのCBX400F。見る者すべてに「ワルい見かけだけじゃない」と語りかけてくるようだ。走らせても良し、鳴らしても良し。まさに“旧車會流美学”の一台である。
■オーナー:オメガホン君
■チーム名:軍団BA