ワイドなナナハン並のボディ、2スト3気筒が生み出すパワー、そして個性的な排気音。今のバイクにはない魅力で注目されている”サンパチ”だが、このマシンはなんと、倉庫で30年以上眠っていたものを蘇らせたものだという。
ラメを散りばめた青ベースのキャンディ塗装だけでも十分目立つが、その上を炙るように描かれたファイアパターンが迫力満点。ロケットカウルの下から顔を覗かせているバンダナもペイントのイメージとマッチしていてワルさを加えてくれている。
スポークホイールが昭和の族車感をさらに高めているフロントは、ブレーキまわりにも注目。スズキ純正のキャリパーに組み合わされたディスクローターにはトレンチカットが施され、旧車カスタムならではの“遊び心”を感じさせるポイントになっている。
エンジンのフィンにはお約束のアルミ製ピンチ。ラムエアーシステムと並んでサンパチではお馴染みの装備(?)だ。スムーズなエンジンフィーリングをキング管ロングマフラーがさらに向上させてくれている。金属的な質感や精巧な造形がしっかり主張しているのも旧車ならではと言える。
白い塔のようにそびえ立つ1メートルの三段シートには「高崎連合」の文字とチームステッカーがドデカく掲げられている。テールまわりは鉄メッキのフェンダーに金玉テール、再度に反射板が付いたウインカーというサンパチらしい王道のスタイルで、その「後ろ姿」は十分なインパクトを放っている。
ハンドル周りもほぼ純正のままの雰囲気を残しているが、シンプルながらも手入れが行き届いており、そのコンディションは上々だ。イノウエタイプのフルカウルの両サイドにはビタローニのカリフォルニアミラーを装着。ハンドルにはワンズアンドエムの軽スロを取り付けてアクセルワークの負荷を軽減している。
そして極めつけは真っ赤なスクリーン。これだけでも族車らしい世界観がバッチリ強調されている。“ただのハンドル周り”をひとつの見せ場に昇華させている点が見逃せない。
チームのリーダー車両ということもあって「とにかく目立つ族車を目指した」と語るオーナー氏。その言葉通り、燃えるようなフレアペイントから白一色の三段シート、そして真紅のスクリーンに至るまで、妥協を許さない存在感を放っている。街灯の下でもひと目で“あの一台”とわかる仕上がりは、まさにチームの象徴と呼ぶにふさわしい。
■オーナー:威志(タケシ)
■チーム名:祭
■ひとこと:一生単車乗り