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【葉っぱのカタチの】ヘンプエアフレッシュナーは映画『セブン』とも繋がっていた!【アノ芳香剤】

「車の芳香剤などでよくヘンプをぶら下げてる方が居ますが大麻解放運動に参加してる人でしょうか?」

 


 

という質問が某知恵袋にあって思わず笑っちゃったけど、それだけポピュラーにクルマにぶら下がっていた、“あのハッパ”のカタチをした、あの芳香剤

 


 

中川翔子が「ヤンキーの車のにおいになる芳香剤ある?どれだ?」という問いかけに「HEMPの芳香剤を大量にルームミラーに付けるとだいぶDQNぽいよ!」とリプライがつくぐらいイメージが染み付いている、あの芳香剤

軽く調べてみたら、どうやら発売から20年以上も売られているロングセラーだった。そしてさらに調べてみたら、なんとナチの迫害を逃れた科学者が発案した、という重厚感ありすぎな歴史にまでたどり着いた。

しかもアメリカではハリウッド映画でも頻繁に登場するほど一般的な存在なのだとか。

今回は、あのハッパのカタチをした、あの芳香剤について伝えていこう。

ヘンプエアフレッシュナーとは?


 

早速だが、あの芳香剤の正式名称は「ヘンプエアフレッシュナー」(以下、ヘンプエア)という。

ちなみに「ヘンプエアフレッシュナー」ではないらしいので要注意だ。

ヘンプエアは1999年12月、株式会社ノルコーポレーションの子会社ニューアークス株式会社によって初めて発売された。車やインテリア用フレグランスとしてスタートし、シンプルなデザインと自然由来の香りで、多くの人々に愛され続けているという。

天然のエッセンシャルオイルを使った、厳選された12種類の香りが提供されており、人気なのはホワイトムスク、ブラックムスク、サウスブリーズなど。価格は180円(税抜)からとかなりお手頃。また、3個パックやジェルタイプも用意されていて、香りだけでなく買い方のバリエーションも豊富なのが嬉しい。なお香りの持続期間は約2〜5週間とアナウンスされている。

そしてエコフレンドリーなのも人気の理由だろう。ちょっと難しい言い方をしてしまったが、“地球にやさしい”ということ。ヘンプエアはヘンプの形をモチーフにすることで、リラックス効果もある自然由来の香りをアピールしている。しかも実際、環境に配慮した素材を使っており、使用後は土に還せる点もポイントが高い。

なお2020年4月に品質、デザイン、フレグランスを一新し、新たなスタートを切っている。新パッケージはブラックとホワイトを基調とし、男性向けやユニセックス向けにデザインされているぞ。

 

元祖はアメリカにあり


 

そしてヘンプエアを調べていくと、アメリカのLittle Trees(以下、リトルツリー)というエアフレッシュナーにたどり着いた。

リトルツリーを作っているメーカーは、Car-Freshner Corporation。ニューヨーク州にあるこの会社は1952年設立で、世界初の車用エアフレッシュナーを発明した化学者ジュリアス・サーマン(Julius Sämann)によって建てられた会社だ。

サーマンはドイツ生まれのユダヤ人。第二次世界大戦中にナチスの迫害を逃れるためカナダに移住し、そこで松の香りの成分について研究を行っていた。

1952年、サーマンはニューヨーク州ワトソンに住む牛乳配達人から、トラック内にこぼれた牛乳の匂いをどうにかしたい、との相談を受ける。そこでサーマンは特別な吸収紙を使って松から抽出した香りを長持ちさせる製品を開発、リトルツリーを作り出したのだ。

リトルツリーが松の木のシルエットになっているのには、こんな理由があったわけだ。

 

リトルツリー=臭いクルマ?!


 

発売から70年近く経っているため、リトルツリーはクルマ社会のアメリカに完全に浸透している。そしてそれを反映するかのように、リトルツリーは驚くほど多くの映画に登場している。

その中でも特にその存在を強烈にアピールしたのは、ブラッド・ピット主演の『セブン』(1995年)だ。

七つの大罪のひとつ「Sloth(怠惰)」の被害者が発見されるシーンで使われたのだが、被害者がベッドに縛り付けられた状態で天井から大量のリトルツリーが吊るされているのが見える。

 

よく見たら、床にもたくさん!

 

この演出、リトルツリーを知らない人にはあれだけ沢山ぶら下がっていても何の意味があるか分からない。でもアメリカ人が見れば、「死臭(実際は生きていたが)を隠すためにツリーがぶら下がっている」=「すごい臭いがしている」と誰にでも分かるようになっているのだ。

それだけリトルツリーは認知度が高い。日本では「ヘンプエア=ヤンキー車」というイメージが染み付いているのと同様に、アメリカでは「リトルツリー=臭いクルマ」というイメージが彼らの生活に密着し頭脳に刷り込まれているのだ。

なお、この撮影の時は香りの付いていないリトルツリーを特注で作ったとのこと。

ちなみに、シアトル出身の伝説的バンド「ニルバーナ」のカート・コバーンがステージでリトルツリーをペンダント代わりにぶら下げて演奏しているライブ映像もあるそうなので、興味のある方は探してみて!

 

まとめ

エアフレッシュナー市場は全体的に成長を続けており、特に自然由来の成分や環境に優しい製品が消費者に支持されている。エアフレッシュナー市場は、2023年から2029年の予測期間中に年平均成長率(CAGR)3.8%で成長するとの見込みだ。

地域別では、北米、特に米国市場がエアフレッシュナーの大きな市場となっていて、2022年には米国のエアフレッシュナー市場は約19.8億ドルと評価されており、今後も成長が予測されているのだ。

この流れなら、さらに新しいエアフレッシュナーが生まれてくるのも期待できそうだ。楽しみに待つとしよう。

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