「グレイスメイトポピー」(以下ポピー)という芳香剤を知ってるだろうか? とても息の長いロングセラー商品なので、ダッシュボードに置かれたのを一度は見たことがあるかもしれない。
「俺もコレ使ってたんだよなぁ。懐かしいなぁ。また使ってみたいなぁ」
と、お考えのあなたに朗報。使えます、買えます。このポピー、なんと発売から40年経った現在もバリバリ現役なのだ。
今でこそカー用品としての芳香剤は珍しくなくなったが、発売当初から変わらない印象的なロゴとシンプルなボトルデザインで、ポピーは令和の今でも多くのファンを魅了している。
そして現在、ヨーロッパでも人気を博していたり、意外な進化を遂げていたりするのだ。今回は、昭和から現代まで多くの人々に愛されている「現役の昭和レトロ」ポピーについて紹介しよう。
昭和から変わらぬ姿の人気者
ポピーは、1962年創業のダイヤケミカル株式会社のオリジナル商品。国内の自社工場で液体の調合、充填、パッケージ加工まですべて行なって作っている製品だ。
その歴史を辿ると、まず1963年にスプレータイプの自動車用芳香剤「グレイスメイト」が発売されている。マイカーブームの波に乗ってヒット商品となったのだが、スプレーだと噴射した直後しか香りが残らないという弱点があった。
そこで、液体を繊維の芯で拡散させる芳香剤を企画。2年をかけて商品開発を行い、1978年6月に発売されたのがこのポピーだ。
「くるまにポピ~♪」誕生秘話?!
1979年に海外輸出を開始した同社は、1981年にはTVCMを放映する。当初は関東のタレントを起用する予定だったが、大阪に本社があることから「長く起用できるよう、地元でなじみのある」オール阪神・巨人を指名することに。
それから約15年ものあいだ、CMに出演することになるのだから起用は正解だったのだろう。なお「くるまにポピ~♪」のキャッチコピーは、CM撮影中におもちゃのクルマに乗ったオール阪神が「乗っているだけじゃ物足りひんな〜」と咄嗟に生み出されたとのこと。
ヨーロッパでは偽物も出回る人気ぶり!
1992年にはポピーシリーズ累計販売個数7000万個を突破するなど快調なポピー。しかしひとつ悩みがあった。海外で偽物が出回っていたのだ。
前にも書いたとおり発売当初から輸出していたものの、海外では偽物の流通により思うように実績が伸びずにいた。 しかしあるとき、オランダのトラック用品店のスタッフが現地でポピーを見つけ、「これこそが本物!」とクオリティーの違いに気づいたそうだ。
そして2014年頃よりオランダの代理店と正規代理店契約を結んだ事で需要が急増する。特にオランダ、スウェーデン、ドイツを中心としたヨーロッパのトラックドライバーの間でポピーブームが到来、一時は工場の生産が追いつかなくなるほどに。ちなみに海外ではストロベリーやチェリーなどの甘い香りが売れているとのことだ。
意外! 現在はエモい姿になっていた
シンプルなデザインとオーソドックスな香りで揺るがない人気を博したポピー。だが、ダイヤケミカルはそれに甘んじることはない。
「令和の若者にも訴求力のある商品を!」ということで、最近ではクリエイティブディレクターWOOMAとのコラボレーションによる「Reboot」シリーズを発表している。
この新シリーズは、若者に人気のエナジードリンクを彷彿とさせるデザインに一新。そしてその香りも、プレミアムホワイトムスクやモンスターレモンなど、今風で洗練されたものとなっているのだ。そしてドリンクホルダーに収まるフォルムや、香料を振動に強くこぼれにくいゲル状にするなど、見た目だけじゃなく機能性も進化しているぞ。
ちなみにこのキャラクターの絵、どこかで見たように感じないだろうか。実はWOOMA、あの大ヒット曲『うっせぇわ』のMVを担当しているのだ。若者向けのコラボとしてはピッタリな人選だろう。
@ado1024osenbei
まとめ
ポピーは、昭和から令和まで続く長寿命の芳香剤ブランド。
その唯一無二のデザインとリッチな香りは、今もなお老若男女、国内外を問わず多くの人々に愛され続けている。テレビ大阪「もしマネ」でポピーの歴史が特集された回のYouTubeは再生回数34万回を超えていることからも、その人気ぶりはうかがえるだろう。
ダイヤケミカルの絶え間ない革新と進化により、ポピーは現代の車好きの若者にも強くアピールできる商品となっている。当時を知る方は懐かしく、Z世代からはエモいポピー、あなたのクルマでもぜひ一度置いてみてはいかがだろうか。