ここ数年で、族車としてもっとも知られたバイクが、このバブではないだろうか。人気漫画『東京卍リベンジャーズ』に登場するマイキーこと佐野万次郎の愛車でもあるCB250Tがそれで、本家に近づけながらも、大阪のD-SHOPが手がけたこのマシンは単なるレプリカの域を超えた完成度の高さを誇っている。
ディープな藍色に塗り上げられた角タンクに映える白い卍マークは、もちろん”東京卍會”のシンボルそのもの。原作ファンならハッと目を見張るだろうし、東リベを知らない人でもシンプルかつ力強いデザインに目を奪われるだろう。
CB250Tという車種選択も、原作に忠実であることへのこだわりの現れ。マイキーが劇中で駆ったのと同じモデルを選び、同じカラーリングで仕上げることで、二次元の世界から飛び出してきたような存在感を実現している。
ディテールを見ていくと、原作のイメージを踏襲しながらも、リアルバイクとしての完成度を追求した作り込みが光る。
エンジンはシリンダーを赤と黒に塗り分けてスペシャル感をプラス。マフラーは本家も着用していたBANBANのカミカゼ管。エンジンガードと融合したかのようなエキゾーストパイプや、純正のままのコムスターホイール、昭和を族車をイメージさせる旗棒などのパーツ類は、マンガの世界にはない現実的なチョイスでありながら、作品の世界観を損なうことなく調和している。
原作再現がメインテーマでありながらも、オーナー独自のアレンジも随所に見られる。マーシャルのピヨピヨ付きフォグやKAMIKAZEスタビライザー、リア周りのD-SHOPロゴ入り回転灯は、原作にはないオリジナル要素。しかし、これらが作品の世界観を壊すことなく、むしろ個性として光っているのがエモい。
そしてこのルイヴィトン風のモノグラム柄シートは、このマシンを特徴付ける最大の見どころのひとつ。原作の質実剛健なイメージとは違う豪華絢爛なアプローチだが、これはこれで魅力的な解釈といえるだろう。
グッとケツ上げしたフェンダーはテールレンズやウインカーごとGT380用に換装している点も見逃せない。それにしてもすごい角度だ。
ハンドルはゼットファーザーの伝説級のハンドル・エバハンを装着。メーターはCB400Fourのものを移植しているが、元の雰囲気を継承しているかのようにしっくり馴染んでいる。なおアクセルのタッチを柔らかくするために苦労した、とオーナーは語っている。
今後の計画としては「よめ仕様にしたい」とのこと。東リベへのファン心のみならず、愛妻家としての強い感情も持ち合わせているオーナーを、きっとマイキーも応援してくれるはずだ。
■オーナー:巷で噂のDOMAN
■チーム名:D-SHOP
■ひとこと:よろしく!!