さる6月4日の深夜に発生したバイクの暴走行為。看板を掲げた暴走族ではなく、最近流行りのSNS暴走だったようだ。
こちらの暴走行為がこれまでのSNS暴走と趣を異にしているのが、「暴走したいバイク乗り以外にも情報共有されていた」こと。動画投稿アプリによって暴走行為の情報が発信された結果、県内外から500人近いギャラリーが、予告された佐賀県内のポイントに詰めかけたのだという。
❝県警交通指導課によると、この夜の暴走行為は5日午前0時ごろから同4時ごろにかけて続いた。少なくともバイク3台が、覆面姿の2人乗りで同町の佐賀大学前交差点内を周回するなどした。
交差点は約500人のやじ馬が取り囲み、あおるようにスマートフォンのカメラを向けるなどしていた。やじ馬の車は県外ナンバーも多く「異様な集まり方」(同課)だったという。❞佐賀新聞より引用
バイク3台の暴走に500人が興味を持って集まったわけことだが、ピンポイントで場所を指定していたわけではなかったので、ギャラリーが想定していた場所というのが『佐賀大学前』。何もない交差点より、なんとなく建物のそばの方が気持ち的にも居やすいこともあっただろう。
実際は佐賀大学よりも600メートルほど外れた交差点がメインとなったようだが、予測は当たらずとも遠からず。わずか数台の暴走にこれだけのギャラリーが集まったのは、単純に暴走族が好き、族車が好きというだけでなく「暴走動画はカネになる」というヨコシマな感情もあったことは、想像に難くない。
さて、この暴走の見物に500人ものギャラリーが集まったことで、“待機場所”となった佐賀大学の前は一夜明けたらごみが散乱するひどい状況に。旧車會のイベントでも、イベントが終了したらゴミはすべて拾って綺麗にするというのに、まったく許しがたい行為た。
これに立ち上がったのが、当の佐賀大学の「お嬢様」たちだった。
敬意を表して、ということではない。リアルに「お嬢様」。彼女たちは同大学の非公認サークル『お嬢様部』のメンバーで、SNSを通じて全国の大学に広がりを見せている部活動なのだとか。佐賀大学には男女合わせて12名がメンバーとして在籍しているそうだ。
最初は4名の部員が行動を起こし、登校中の学生や散歩中のご近所さんなど、最終的に約10名ほどがゴミ拾いに参加。約20袋ものゴミを回収したそうだ。
昭和の昔から、暴走族漫画のヒロインはお嬢様だった。令和の大ヒット暴走族漫画『東京卍リベンジャーズ』でも、ヒロイン・橘日向はヤンキーでもギャルでもない、普通のお嬢様。意外と相性はいいのかもしれないが、ヨソんちでゴミを放置してくるような性根では、とてもじゃないが漫画みたいな関係を構築することなどできはしない。
せめてゴミくらいは片付けて帰りましょう。