神奈川県警は12日、男子中学生に殴る蹴るなどの暴行を加えたとして、横浜市立高校1年の男子生徒ら6人を、傷害の疑いで逮捕したと発表した。
逮捕された6人は、いずれも容疑を認めているという。
ニュースを報じた産経新聞によると、
❝逮捕容疑は4日午後7時半ごろから同11時20分ごろまでの間、同市保土ケ谷区内の公園で、同市瀬谷区に住む中学3年の男子生徒(15)に顔面や体を殴る蹴るなどの暴行を加え、急性硬膜下血腫などのけがを負わせたとしている。❞
被害にあった男子中学生は現在、意識不明の重体だという。
4時間にわたって集団リンチを加えていたわけだが、事件の背後には、暴走族をめぐるトラブルがあったようだ。
暴行を加えた少年ら6人のうち、4人は市内の鶴見区を拠点に活動する暴走族「鶴見家族(ファミリー)」のメンバーだった。
被害にあった男子生徒が勝手にチームの名前をかたることが度々あるなど、両者の間には以前から火種がくすぶっていたようだ。
集団暴行に至った経緯だけを見ると、一方的に加害者側のみに原因があるとは言いにくい。
このご時世、チームの看板を掲げて活動するためには、かなりの不自由を被っているはず。良識派の方々に言わせれば「暴走族そのものが悪であり、そこに言い分があること自体がおかしい」となってしまうのだが、被害者の少年も「チームの名を語る」という、コトの重大さを十分理解していたのは明らか。
別の記事では「約束を反故にされた」ことが原因との記載もあり、本人も、まさかここまでされるとは思ってもいなかった可能性も否定できない。高をくくっていたのだろう。
それにしても、という話だ。
6人がかりで4時間ものあいだ一人を拘束し、暴力をふるうのは明らかにやりすぎ。その暴力がどういった結果をもたらすか、あまりにも考えが無さすぎる。
「何をされても仕方のないことをした」
という言い分は、不文律を犯した側が使うもので、加害者側の大義名分に使っていい類のものでは、決してない。
万が一、被害者の男子学生が不幸にも命を落としてしまった場合、罪状が「殺人」に切り替わることも考えられる。
彼ら「鶴見家族(ファミリー)」は、共同危険行為でメンバーが送検されたこともある。当時の件はi-Q JAPANでも報じているが、少年法が適用されるとはいえ、道路交通法違反と刑法とでは、当たり前だが重みがまったく違う。
本人にも、そして家族や周囲にも、大きく影響を及ぼすのは間違いない事実。一命を取り留めたらそれでいい、という話では当然ないのだが、落としていい命など、あろうはずもない。まずは被害にあった男子学生の、一刻も早い回復を祈るばかりだ。
その上で、再発防止策を周囲の大人たちも交えて考えるべき。一過性の事件として捉えるには、あまりにも問題が大きすぎる。
【関連記事】
【無免許爆走!?】暴走行為で神奈川県●●のメンバー11人摘発!「警察からかい楽しかった」【暴走族ニュース】
執筆者:i-Q JAPAN編集部