1/32マイルレース。
台湾にこんな面白い文化があるって知ってたか? 俺も「え? 何その超短ぇレース?」なんて最初聞いたときは思ったりしたんだけどさ、これって言うなれば、あのアメリカ発のドラッグレースの原チャリ台湾版なワケなんだな。
1/4マイルでも1/8マイルでもなく、1/32マイル。つまり、ほんの50メートルで勝負が決まるレース。
50メートルなんて短距離じゃ、ただツッ走るだけで終わるんじゃないか? そう思うかもしれない。だが台湾のこのレース、ただの原チャリのレースじゃないんだ。
改造に改造を重ねたマシンたちが、まるで別物みたいに走る。しかも、そのバイクの改造が半端ない。排気量は50ccや100ccクラスが多いんだけど、見た目も音も本格的なドラッグマシンみたいで、こんな短距離にここまでやるか?って驚かされるんだぜ。
改造の世界は台湾でも奥が深い
まず、台湾の1/32マイルレースの肝は「いかに速く加速できるか」ってとこにある。なにせ直線50メートル、少しでもロスがあれば即負けだ。
じゃあどんな改造をしてるかって? ここがまた興味深いトコなんだ。
- エンジン
- 駆動系
- 吸排気系
やっぱり一番力が入るのはエンジンだ。まず排気量をいじるのは当然として、50ccクラスのエンジンをボアアップして90ccや100ccにしてる。キャブも大型化して、燃料の供給量を増やしてガツンと馬力を引き出す。中には規格外のターボチャージャーやスーパーチャージャーまで取り付けてるツワモノもいるらしい。もう耐久性なにそれおいしいの?って世界だ。
駆動系も重要なポイントだ。純正のベルトドライブを強化タイプに変えたり、ギア比を大胆に調整して最初の10メートルで一気にスピードを乗せるようにしたり。クラッチのバネも硬いものに変えて、より高回転でスタートできるようにしてるんだ。ここまでやればスタートダッシュで一気に差をつけられるってわけワケ。
音も馬力も上げるには吸排気系の改造が欠かせない。エアクリーナーを外して直接エアを取り込んでるマシンが多いけど、フィルターがないとエンジンにゴミが入るんで、吸気の部分だけ金属の網を巻くとかの工夫が見られる。排気も、マフラーを交換するのは当然として、マフラー自体を極端に短くして排気効率を上げるスタイルが主流だ。このエンジン音がまた結構な爆音で、ヤンキー心をくすぐってくれるぜ。
でも、これで基本のキのレベルっていうんだから、台湾の奴らの改造魂、ヤバいだろ?
短距離だからこそ要求されるテクニック
台湾の1/32マイルレースでは、わずか50メートルでいかに速く到達するかがすべてだ。
だからエンジンパワーだけじゃなく、スタートのテクニックも重要だ。スタートラインに立った瞬間に一気にアクセル全開。ちょっとでも迷ったら負け、まさに一瞬の勝負だ。
しかも、50メートル先のゴールで止まるのも一苦労。ドラッグレースみたいに長い直線があるわけじゃないから、ゴールのすぐ先に壁やバリアが設置されてることも多い。だからブレーキのセッティングも大事だし、減速しながらスライドするようなテクニックも必要になる。
これがまた、スリル満点でヤバいんだわ。
台湾の原チャリ文化とヤンキーの共通点?
台湾の原チャリ文化って、日本のヤンキー文化と少し似てるんだよなー。
改造にこだわるのもそうだし、レースそのものがストリートっぽいノリでやられてることも共通してる。実際、台湾の1/32マイルレースって、正規のレース場もあれば、ちょっと怪しいストリートの場所でやってることも多いらしい。ここらへん、ヤンキー魂が通じるものがあるよな。
本邦のヤンキーたちも、バイクをただの移動手段じゃなくて自己表現の一つとしてカスタムしてる。台湾の1/32マイルのレースも、ただ速ければいいってもんじゃない。「見た目も音もとことん派手に」っていうスタンスがあるから、派手なペイントやデカいステッカー、LEDライトでゲーミングPCよろしく光らせたりするなど、見た目に対するこだわりも半端ないんだ。
「俺もやってみたい!」と思わせるレース
50メートルの短距離だから「なんだそれ、楽勝じゃん?」なんて思う人もいるかもしれない。でも、実際にこのレースを見てみると、そんな考えが吹っ飛ぶはずだ。
エンジン音が鳴り響くスタートの瞬間、そしてあっという間にゴールに達する迫力。まるで弾丸みたいに突っ走る原チャリたちには、見てるこっちも思わず興奮する。
俺も正直、こういうレースの文化があるなんて全然知らなかった。でも、改造して、スピードにこだわって、個性を出すっていうのは、どこかで俺たちのヤンキー文化と通じるものがある。もしチャンスがあれば、一度台湾に行ってこの1/32マイルレースを体験してみたいもんだぜ。