59馬力の高出力を持ち、コールを極めんとする多くの者から愛されるCBR400F。パワーもさることながら、登場した当時から話題となったその独創的なフォルムは今見てもカッコいいの一言だ。
そのCBRの当時のスタイルをしっかり受け継いだまま進化させたのがこのマシンだ。
CBR400Fを象徴するアイテムのひとつと言っていい角目ヘッドライトを活かしつつ、純正タイプの小さめ角ウインカーで一体感をキープ。全体のバランスを壊さない「本物っぽさを残すカスタム」が光る。「コールの新人」ステッカーも、ガチとユーモアの絶妙なバランスを演出していて面白い。
純正Ⅰ型の、いわゆる“六芒星”6本スポークホイールと、ブロックパターン気味のDUROタイヤが独特の「押し出し感」を演出。盛りすぎない見た目で勝負する、旧車會カスタムに対するオーナー氏の思いが、このフロント周りからも感じられる。
本多エンデュランスのギラつくエキパイが「エキゾーストへの執着」の姿勢を明確に主張。高回転のみならず、中低音でも鳴いてくれるマフラーには、西の血を感じさせる。なだらかに描くカーブもまた、なんともセクシーだ。
控えめなルックスながら、アウトバーンのテールカウルが全体のフォルムをキリッと引き締める。BEETテールに比べてサイズ感が大ぶりで、その分ワルさを強調できるアイテムだ。
三段シートはレーシーなデザインのステッカーでドレスアップ。中央部分には反射ステッカーを用いて昼夜で異なった姿を演出している。ただの族仕様では終わらせない「抜け感」のある演出が光る。
スピード・タコ・燃料計・インジケーターのCBR400F純正三眼メーターがそのまま残っており、視認性・雰囲気ともに文句なしの昭和テイスト。しかもミラーは角型の純正タイプ。あえて「純正据え置き」のこの潔さが渋い。
塗装をいじりすぎないことで「元の良さを知ってるやつが仕上げた」感が出ているだけでなく、デカール類も大事に残されていることから「歴史への敬意」もにじみ出ている。
純正ラインを活かしたうえで、「コール映え」「シルエット美」「シート芸」の三拍子をキメてる。CBR400Fの魅力をそのままに、旧車會の魂とヤンチャ心を融合させた一台だ。
◾️オーナー:ワンズの新人