旧車會の世界、特に九州地域の旧車會には「シャークマスク」という外装塗装のジャンルがある。
もともとは戦時中の戦闘機に描かれたモチーフで、フルカウルの両サイドにサメの眼とキバを塗装してカウルを顔に見立てた塗装をするスタイルはスタンダードなバリエーションの一つにもなっている。
それゆえ、旧車會とサメは親和性が高い。そうした事実を知ってか知らずか、こちらのゼファーは史上もっともサメな仕様となっている。
シャークマスクどころではない。
まんまサメ!
市販のロケットカウルをベースに、樹脂で成形したサメを前後のカウルに装着させている。サイズ感やバランス感もかなりのリアリティ。“サメ肌”の部分は表面に砂をちりばめて表現するなど、かなりしっかりと再現している。
さすがに公道を走る仕様ではないが、会場の注目度はダントツ。公道ではもちろん、イベントでもこんなバイクを見ることがないので、コースを走る姿は誰もが目を奪われたはずだ。
シャレが効いているのがフロントフェンダーにBEETのシャークエアロを装着しているところ。“サメ感”のあるフェンダーはここも上下ツートンのグラデーションが効いている。
そして三段シートと見間違えるくらいせり上がったシートカウルはサメのしっぽに。フロントカウルだけではなく、このテールが文字通りテールになっているからこそ、目を引く部分でもある。
そしてこのテールの迫力に負けない竹やりマフラーも見どころの一つ。改造魂、ここに極まれり! といったところではないだろうか。