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単車にまたがる者なら誰もが知りたい!全日本を統べた男の物語【佐藤理人Presents】

2019/10/30

COLUMN

単車&暴走族関連記事

暴走血風録、最初のゲストは元全日本麗心愚の伊藤建志さん。旧車會でその名を知らないものはいない、超の付く有名人が、佐藤理人さんの呼びかけに応じてi-Q JAPANに登場してくれた! このインタビューは永久保存必須です!
初めてまたがった単車は
誰もが驚くスズキの一台


理人 自分はプライベートでも大変かわいがって頂いておりまして、昔からずっとお世話になりっぱなしの方です。

伊藤 そんな。止めてよ。

理人 この業界で知らない人間はいないでしょう。伊藤建志さんです!

伊藤 伊藤です。よろしくお願い致します。

理人 全日本(零心愚連盟)の、実質的なTOPまでつとめられた建志さんですが、出身は横浜のどちらだったんですか?

伊藤 横浜の鶴見ですね。

理人 建志さんのさらに上の世代から、多くの先輩方が守ってこられている街ですよね。実際にはどんな街だったんですか? 

伊藤 う~ん、とりあえず治安は悪いです(笑)。

理人 暴走族のメッカともいえる街ですから、本当に激戦区だったと思いますが、そのなかで建志さんはどのように暴走族と触れられたんですか?

伊藤 兄がやっぱり暴走族で、地元のチームのリーダーをやったりしていたんで。すごく身近な存在でした。

理人 お話を伺えば伺うほど建志さんのエリートっぷりが浮き彫りになりますが、初めて跨った単車って、覚えていらっしゃいますか? 

伊藤 GSXのインパルスかな? ガキだったから、乗れればいいやって感覚だった気がする。

理人 何歳くらいの話ですか?

伊藤 中学生だったかな?

理人 大変生意気なんですが、中学生で単車に乗るのは……

伊藤 ハハハハ。インターナショナルな街だから、国際免許で乗れたんです(笑)

理人 ハハハハハハ! そこは深く追求しないことにします(笑)。

伊藤 仲間より早く大人になりたかったんでしょうね。

理人 神奈川の暴走族は大人びてましたからね。とりわけ横浜というのは全国の暴走族の憧れの場所であり、憧れのスタイルであり、憧れの単車であり、当時単車に跨ったことがある人間であれば、誰もが意識する街でしたし。

伊藤 住んでた人間からすると、ガラの悪い街だとしか思えなかったけど(笑)。




全日本麗心愚の集会は
走り方から違っていた



理人 いきなり話が飛んじゃって申し訳ないんですけど、横浜の集会って、なんであんなにペースが速いんですか?

伊藤 なんでなんでしょうね? 繁華街とか、その近くを通りますからね。あんまりもたもたしていると、それだけ危険を抱え込むことになるとは思ってたけど、伝統的にああいうスタイルでしたから。

理人 なるほど、伝統的に受け継がれているから、特に疑問に思うこともなかったんですね。

伊藤 当時は比較する対象がなかったですからねぇ……。最初はなんの疑問も持たずに、ただ必死についていってました。

理人 そのときはもう埼玉の人間だったんですけど、中学時代の親友の誘いで浜連の集会にお邪魔させて頂いたときに、もう……本当に一瞬ですよ? 一瞬だけ隊列を離れて立ちションして戻ったら、気配すらないんです (笑)。

伊藤 そうなっちゃうと思いますね(笑)。

理人 なんて速いんだ! ってビックリしたんです。

伊藤 逆に少し大人になって、ヨソの地域の集会に招かれたとき、逆に「え、なんでこんなに遅いんだ?」って驚いた記憶はありますよ。

理人 その集会のスタイルですけど、横浜連合の集会は、毎週決まった日時にやっていたんですか?

伊藤 やってました。

理人 当然、警察もそれは把握しているわけですよね?

伊藤 してたんじゃないですか? でもガキだったから『捕まってナンボ』のところもありましたから。

理人 幹部会もされていたんですよね?

伊藤 やってましたよ。いついつドコを走るとか、決めていました。

理人 各チームの頭が参加するんですか?

伊藤 頭じゃなくてもよくて、代表者って感じでしたね。

理人 そこでルートを相談するんですか?

伊藤 いや、そこは事前に決まっていて、ルートを書いた紙を受け取るんです。

理人 メチャメチャ欲しいです、その紙!

伊藤 え、手書きでチョチョッと書いた程度ですよ?

理人 それがいいんです。そのリアル感というか、ライブ感というか。

伊藤 その辺が他の地域とは違うかもしれないですね。

理人 全く違うと思います! 大変に失礼なことを伺うんですが、その紙が警察側に渡ってしまうってことは……。

伊藤 ああ、ありますあります。全然ありますよ。

理人 それってどんなシチュエーションなんですか? 想像がつかないんですけど。

伊藤 警察も分かってるんですよ、いつのどこでミーティングがあるとか。で、ミーティングのあとを狙って補導するんです。

理人 はぁ~~! 国家権力が未成年にとる手段じゃないですよ。もう、無視できない存在だったんですねぇ……!

伊藤 我々も幹部会終わりは注意するんですけど、その辺の知恵比べは大人の方が上手でしたね。




伝説の全日本の集会は
こうして行われていた!


理人 そういう時はルートを変更されるんですか?

伊藤 変える時もありましたけど、変えると見せかけて変えないっていうこともありました。

理人 裏の裏をかくわけですね?

伊藤 っていうより、そう毎回引いてられないって思ったんじゃないですかねぇ。ガキだから、その辺の融通が利かないんですよ。

理人 そんな謙遜なさらないでください。超カッコいい話じゃないですか!

伊藤 そもそもこっちが警察に睨まれるようなことをしてるんだけど、でも「大人はやっぱりズルい!」みたいな、変に気持ちが乗っちゃってたんでしょうね。

理人 あと、全日本系の集会といえば、流れ合流流れ解散が有名で……あれは本当に凄いしカッコいいなぁと思っていましたけど、そういうことも紙には書いてあったんですか?

伊藤 だいたいドコソコに何時とかは、書いてましたね。

理人 万が一、集団からはぐれた際の復帰ポイントにもなるんですね。

伊藤 そうですね。慣れてきたら、ルートを見たら頭の中でコースのイメージはできるから何となく合流できるようにはなるんですけど、時間は分かっていた方がありがたいですよね。予定の場所でただ待ってるだけだと、先にパトカーが来ちゃう可能性もあるし(笑)。

理人 本当に、1分とズレないじゃないですか。

伊藤 自分たちは当たり前になってましたけど、ヨソから来られた方には驚かれましたね。

理人 建志さんの時代の集会で、MAXどのくらいの台数だったんですか?

伊藤 横浜だけで500くらいじゃないですか?

理人 ケツにいたら、確実に先頭は見えないですよ。

伊藤 ケツから先頭に出るだけで、そこそこ時間がかかってました。

理人 どのくらいの時間、走っているんですか?

伊藤 3時間くらいだったかな? 同じ集会に参加していても、会えない知り合いもいましたよ。





後編へ続く!


執筆者:i-Q JAPAN編集部

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