これまで何度もお伝えしていることではあるが、族車のカッコよさは地域によって大きく異なる。たとえば神奈川仕様であったり、チバラギ仕様であったり、関西仕様であったり。
周囲の環境によっても仕様はシルエットは大きく異なるし、外装カラーもそれぞれの地域で全く異なるものになる。ちなみに、チバラギと一口にいうが千葉と茨城ではバイクの仕様はまた異なるのが面白い。
なかでも、ここ最近で注目度が高まっているのが“福岡仕様”。理由はもちろん、人気YouTubeチャンネル『SATAbuilder's』内で開催されていた「Z-1グランプリ」で、バッドボーイズ佐田正樹が仕上げた青春仕様のXJ400。多くのファンが仕上げ段階からこの博多仕様のバイクを目にしたことで、多くの族車好きから注目を集める存在となった……ハズ。
そんなドンピシャなタイミングで山梨の『富士河口湖オートジャンボリー』に参加していたのが、こちらのCBR400Fだ。
多色使いに星マークという、チャンネル内でも見られた九州の特徴的な外装を装着。当日の会場で、どんなに派手な外装のバイクでもこれだけ多くの色数を使用したバイクは、そうはいなかったんじゃないだろうか。
チャンネル内でも用いられていたが、ライト穴から伸びたゴムホースも特徴的。四輪のオイルクーラーのホースを模したものだろうが、局地的に人気のアイテムをしっかり取り入れているのはさすが。
もちろん、九州らしさを表現しているのは車体だけじゃない。車体の脇にぶら下がっているヘルメットがジェッペル! アゴひもを緩く留めて首の後ろに回し、カラスマスクを付けたらほぼ顔は見えない! そして前面にチーム名を加えるのも九州の仕様そのものだ。
さらにマフラーも九州で人気のIKAZUCHI管! とにかく車体全体から九州のパワーを感じる仕様。同じ福岡でも北九州と博多と福岡と筑豊、筑後ではそれぞれ仕様が微妙に違うし、さらに佐賀や長崎にも波及しているそのスタイルは、実は分かりやすいようで細分化されているジャンルでもある。
こうした仕様のバイクを間近で眺めることができるのが、ジャンボリーの面白さ。日本でも有数の旧車・絶版車の祭典だけあって、全国各地のカッコいいバイクが集まるこの一大イベントは、ぜひ来年以降も訪れたいものだ。